社会学者の宮台真司さんと第一線で活躍する4人のクリエイターとの対談集です。それぞれ領域も話題も異なりますが、共通するテーマは「幸福」です。 いま、「幸福」とは? 幸福と聞くと非常に個人的な感情の問題を連想する方も多いと思います。たとえば、欲しいモノが手に入ったり、美味しいものが食べられて、幸せと感じたり。逆に、仕事や人間関係がうまくいかずに苦しんで不幸だと感じたり。 これは、個人の欲求、快楽の充足が幸福の尺度だという、近代以降に主流になった考え方でもあるわけですが、さてこの本での「幸福」とはどんなものでしょうか。 幸福は<安心・安全・便利・快適>とは異なる。幸福は、存在のかけがえなさという尊厳を含む。 宮台さんによれば日本語の「幸福」や英語の”well‐being”にはー少し意外かもしれませんがー”超越的な響き”があるといいます。 ここでは幸福は、「快適さ」や「便利さ」といった功利(ユーテ