人の家で宅飲みをしていた。途中でつまみを買いに、深夜までやっている小さなスーパーに行った。わたしはパンを食べる習慣がない。嫌いではないが、米の方が断然好きだからだ。なので、パンコーナーではあからさまにやる気の無い顔をしていた。 日本においては、米はパンと対比されることが多い。ちょっと気の利いたレストランでは、主食を米かパンの二択で選べるところも多い。米と双璧を為すものとして、パンたちは我が物顔でスーパーの一角に居座っている。わたしの露骨なまでの「興味ないけど」という顔は、鼻もちならないパンたちへの一つのアティチュードとしての現れである。 「パン食べないの?これとかおいしいよ」 「別に…」 わたしの中の沢尻エリカが鎌首をもたげている。人から勧められた程度で米から寝返るような尻軽女ではない。しかも「とか」なんていう曖昧なレコメンドでは尚更。 しかし、パンの中に少し気になるものを見つけた。「ナイ