ケン・キージー。彼の名は、ジャック・ニコルソン主演の映画『カッコーの巣の上で』の原作者としてよりも、ヒッピー・コミューン“メリー・プランクスターズ”のリーダーとして、死の前にあったニール・キャサディが運転する、サイケデリックな風体のマジック・バス〈ファーサー号〉で全米を巡回し、各地でLSDを用いたアシッド・ショーを行なったという過去から語られることが多い。60年代、ビートニクの精神であった放浪〈バム〉生活に身を投じ、ドラッグによる自己探求を説くことで、自ら「体制を疎外した」その男の姿は、90年代の今も明らかに異彩を放ちながら存在していた。 タイトル:ケン・キージー インタビュー:佐野元春 掲載号:This Vol.1 No.1 '95 ――アレン・ギンズバーグを友人として、また長年の仲間として、どのような言葉で讚えることができますか? ケン・キージー(以下KK) 彼はビート・ジェネレーショ