岸政彦(きし・まさひこ) 1967年生まれ。社会学者・作家。京都大学教授。主な著作に『同化と他者化──戦後沖縄の本土就職者たち』(ナカニシヤ出版、2013年)、『街の人生』(勁草書房、2014年)、『断片的なものの社会学』(朝日出版社、2015年、紀伊國屋じんぶん大賞2016受賞)、『ビニール傘』(新潮社、2017年)、『図書室』(新潮社、2019年)、『地元を生きる──沖縄的共同性の社会学』(打越正行・上原健太郎・上間陽子と共著、ナカニシヤ出版、2020年)、『大阪』(柴崎友香と共著、河出書房新社、2021年)、『リリアン』(新潮社、2021年、第38回織田作之助賞受賞)、『東京の生活史』(編著、筑摩書房、2021年、紀伊國屋じんぶん大賞2022、毎日出版文化賞受賞)、『生活史論集』(編著、ナカニシヤ出版、2022年)、『沖縄の生活史』(石原昌家・岸政彦監修、沖縄タイムス社編、2023年
煽るようなタイトルですいません。 近い将来ほとんどのエンジニアにとって認知症についての知識は避けて通れないものになると確信しているためこの記事を書いています。 最大の理由は、「日本社会全体の高齢化に伴って、顧客の多くも認知症となるから」です。 実は1ヶ月ほど前にも認知症フレンドリーテックに関する記事をZennに書きました。 ここから発展して、アイデアソンを開催することになったことも、あらためて記事を書くことにした理由です。 認知症の人は増え続ける 現在、日本には認知症の人が約600万人いると推計されています。 これは、小学生と同じ人数です。 すでに、多くの人がいることに驚かれるかもしれませんが、さらに今後も増え続けることがわかっています。 久山町研究という世界的に注目される疫学研究によると、認知症の人は2060年まで増え続け最大1000万人を超えるという推計となっています。 この時の日本の
生理学・生物地理学の研究者であるジャレド・ダイアモンドが1997年に上梓したノンフィクション『銃・病原菌・鉄』は,一般書として英語圏で幅広い読者を獲得し,2000年に刊行された日本語版も売れ行きを大きく伸ばしていった.地理的条件の違いがヨーロッパ(ユーラシア)の社会経済的発展を優位にしたと主張する本書については,そのわかりやすさとダイナミックな内容ゆえに多くの書評が発表された.しかしながら,本書は英語圏では地理学者をはじめ学術界から数々の強い批判を受けてきたのに対し,日本では多方面から称賛されており,また地理学者による発信は皆無に近い.本稿は主に書評の検討を通して英語圏と日本における本書の受容過程を精査し,その差異と背景について明らかにする.また,これらの検討を通じて本稿では,諸外国からの地理学的研究成果の積極的な導入が必要であるとともに,より批判的な視点が求められることを論じていく.
執筆者の属性、活動内容についてはこちら 何故か反ワクチンデモに紛れ込む、「ピカチュウの尻尾の先の色は何色?」先日筆者も取材した神真都Qデモは1月23日にも行われ、多数の画像がSNSにアップロードされていた。その中で、札幌で撮影された集合写真に何故か「ピカチュウの尻尾の先の色は何色?スマホで検索」と書かれたプラカードが掲げられていたため話題になっていた。 反ワクチンデモのプラカードに、なぜピカチュウの話題が書かれているのだろうか? このツイートの反応の中には、「面白がって参加した愉快犯によるものではないか」と言う人もいたがそうではない。このプラカードを掲げている人物は恐らく真面目に主張している。 結論から言うと、これは「世界線の移動」に気づいてもらうためのものだ。 一体何を言っているのか分からない人がほとんどと思うので、順を追って説明していく。 事実とは異なる記憶 - マンデラエフェクト先ほ
この記事は、慶應義塾・社会学研究科の開講科目「社会心理学特論 I :心理学方法論の新展開」での課題活動と、ReproducibiliTea Tokyo の活動の一環として、まとめられたものです。ReproducibiliTea は、信頼できる科学を目指す、国際的な草の根ジャーナルクラブ活動で、Tokyo は文字通り、その東京バージョンです。各記事の対象論文の選定ならびに記事内容には、執筆者を含む参加メンバー全員の意見が反映されています。記事についてのご質問・ご意見等は、repteatokyo@gmail.com までお送りください。 本記事は,Smithersらによる “A systematic review and meta-analysis of effects of early life non-cognitive skills on academic”とCredéらによる”Much
ああ、これこれ。反出生主義って世俗からの離脱とうつるかもだけど、正反対に、能力主義や成果主義や自己責任を厳しく内面化した結果として反出生主義ってあるように思うわけです。そういうの珍しくないんじゃないかな。 https://t.co/YOmevsmwf8 — p_shirokuma(熊代亨) (@twit_shirokuma) June 3, 2021 6月上旬にtwitterで上掲のようにつぶやいたところ、じわじわと「いいね」と「リツイート」が集まってきた。 このことをとおして、似た風に考えている人が結構いることを私は知った。 なので、このつぶやきに関連して、世俗のきわみのような自称-反出生主義について簡単にまとめてみる。 私にとって反出生主義といえば、輪廻からの離脱 反出生主義という語彙を頻繁に目にするようになったのは令和に入るか入らないかの頃、2010年代の終わり頃からだったと思う。
接触確認アプリ「COCOA」について以前ツイートしました。 繰り返しになるけど、COCOAのAndroid版をネイティブで作り直したいので、誰か知ってる人につないで欲しい。 — ARIYAMA Keiji (@keiji_ariyama) February 3, 2021 ツイートした後もGitHubのCOCOAのリポジトリにコメントしたり、知り合いに「COCOAやりたい」「COCOAやりたい」と言い続けたりした結果、このたび厚生労働省の技術参与として正式にCOCOAに携わることになりました。 すること オープンソースコミュニティとの関わりについては、すでに政府CIO補佐官の東さんと関さんが取り組みを始めています。ぼくは二人を手伝いつつ、Issueとして報告があった内容の再現確認をしたり、Pull RequestでExposure Notification APIを使ったテストが必要なとこ
天才プログラマー・オードリーさんがたった200行で効果的なアプリを作れる秘訣 オードリー・タン台湾デジタル大臣との対話 - 未曾有の危機に幅広く使える未来思考(後編) 2021年1月19日、『コロナ vs. AI 最新テクノロジーで感染症に挑む』(翔泳社刊)が発売されました。医師の起業家からAIの研究者・ITの先端技術コンサルタントによって執筆されており、コロナ対抗策としてのAIの社会実装事例・AI研究事例・医療研究事例をわかりやすくまとめられています。今回本書の発売を記念して、収録されている台湾のデジタル大臣、オードリー・タンさんへの特別インタビューから、一部内容をご紹介します。株式会社キアラ 代表取締役の石井 大輔氏による寄稿です。(前編はこちら)。 石井:今回の私の質問は少し技術的なことです。オードリーさんは天才プログラマーとして有名です。GitLab Taiwanのエンジニア友人か
ブログ「読書猿 Classic: between/beyond readers」主宰。「読書猿」を名乗っているが、幼い頃から読書が大の苦手で、本を読んでも集中が切れるまでに20分かからず、1冊を読み終えるのに5年くらいかかっていた。 自分自身の苦手克服と学びの共有を兼ねて、1997年からインターネットでの発信(メルマガ)を開始。2008年にブログ「読書猿Classic」を開設。ギリシア時代の古典から最新の論文、個人のTwitterの投稿まで、先人たちが残してきたありとあらゆる知を「独学者の道具箱」「語学の道具箱」「探しものの道具箱」などカテゴリごとにまとめ、独自の視点で紹介し、人気を博す。現在も昼間はいち組織人として働きながら、朝夕の通勤時間と土日を利用して独学に励んでいる。 『アイデア大全』『問題解決大全』(共にフォレスト出版)はロングセラーとなっており、主婦から学生、学者まで幅広い層か
はい、今回はみんな大好き(大嫌い)SIerについての話である。 デジタル庁の動きに駆動されて、日本で何度目かの内製推進が盛り上がろうとしている。 日本のITシステム開発がうまく行かない原因としてしばしば挙げられるのが、ユーザサイド(非IT産業)にエンジニアやプログラマなどのIT人材が不足しているというものだ。確かに、日本が欧米と比較してIT企業にIT人材を集中的に配置しているのは事実である。 こうしたIT人材の偏りによって、アジリティの高い開発ができない、CI/CDやDevOpsが進まない、というのは当たっているし、ユーザ企業も自らIT人材を雇用して内製を進めるべきだ、という議論にはもう十年以上の歴史がある(筆者が追えていないだけでもっと古いかもしれない)。 この時、悪玉として批判にさらされるのが、今回の主役であるSIerという存在である。日本における内製推進は、しばしばSIer批判とセッ
やたらと使われる「多様性の尊重」現在、「多様性の尊重」というスローガンは、政府の文書から個人の会話まで、至るところで目につくようになっています。経済、雇用、福祉、教育その他、あらゆる分野で「多様性の尊重」という言葉が使われるようになりました。 これについて今回の記事では、この「多様性の尊重」というスローガン自体に重大な問題があり、むやみに使わない方が良いということを説明します。(念のためいうと、「多様性を尊重すること自体がいけない」という真逆の主張をしたいというわけではありません。) 多様な「状態」を尊重すれば良いのか?まず言葉そのものを眺めてみましょう。「多様性」を「尊重」するというわけですから、当たり前の話ですがここで尊重すべきとされているのは「多様性」です。「多様性」とは物事の性質とか状態ですから、結局は何らかの性質や状態を尊重しろと言っているわけです。 学校の制服問題で考えてみる一
1975年宮城県生まれ。元SEでフリーライターというインドア経歴だが、人前でしゃべる場面で緊張しない生態を持つ。主な賞罰はケータイ大喜利レジェンド。路線図が好き。(動画インタビュー) 前の記事:ソフトクリームが日本に広まったのは蕎麦屋と力道山のおかげ > 個人サイト 右脳TV 「練習用」のボールもある 訪れたのは東京は日本橋にある双喜商事さん。防犯カラーボールを開発した、天野隆夫さんが出迎えてくれた。 天野隆夫さん。応接室にはたくさんの「あのボール」が! 「カラーボール」とか「防犯ボール」とか呼ばれているあのボール。正しい商品名は「蛍光クラックボール」という(※本記事内では通称の「防犯カラーボール」で統一します) コンビニ、銀行、郵便局を中心に今でも年間17万~18万個を売り上げており、防犯カラーボールのシェアはほぼ100%だそうだ。 お近くのコンビニで見る防犯カラーボールは、ほぼ双喜商事
難病の女性患者が殺害された事件をめぐって、7月23日に2人の医師が逮捕されました。この事件を受けて、一部の政治家が、安楽死や尊厳死の議論を呼びかけはじめたことについて、コメントを出します。 まず第一に書いておかなければならないことは、逮捕された医師は「優生思想的な主張を繰り返し、安楽死法制化にたびたび言及していた」と報じられているのであり(7月23日京都新聞)、これに従えば優生思想を持つ人間が嘱託殺人の疑いで逮捕されたということで、こういった事件をもとに政治家が安楽死や尊厳死の議論を持ち出すのはどういう神経をしているのかということです。どういう人権意識を持ち、どういう社会観を持っているのかということです。 そして第二に、政治家は、安楽死や尊厳死の持つ公的な性格に自覚的であるべきということです。 安楽死や尊厳死というのは、一見して自己決定権に関する個人の問題であるようです。しかし、それらがも
「というのも、各々は直接的に他者のうちに自分を知るからであり…しかもそれによって、各々が、他者もまた同じように彼の他者の内に自分を知るのだ」(ヘーゲル『イェーナ体系構想』法政大学出版局) 「臨場性」はなぜ必要か コロナ禍の中で、心から消滅して欲しいと思ったのは「ハンコ」である。 大学が入構自粛になっているのに、ハンコを押すためだけに出勤することの徒労感。そういえばうちの大学では、会議からはほぼ完全に紙資料が駆逐されて、タブレットで会議資料を閲覧することになりはしたけれど、「ワープロで作成しプリントアウトした紙資料に押印したものをスキャンしてPDF化」という純和風デジタイズが横行しており、電子署名などまだまだ imagine the future の彼方——内輪ネタですみません——というありさまだ。というか、そもそも現政権におかれましてはIT担当大臣が日本はんこ議連議長を兼任、という漫画のよ
全国的な流行も想定して対策が進められる中、最前線で治療に当たる専門医は今、何を見据え、何を目指しているのでしょうか? BuzzFeed Japan Medicalは、都立駒込病院感染症科部長として新型コロナウイルス感染症の患者の治療の指揮をとり、政府の専門家会議構成員も務める今村顕史さんにお話を伺いました。 ※インタビューは3月11日午後に行われ、その時点の情報に基づいている。 一病棟をまるごと新型コロナ対応にーーこれまで患者さんはどれぐらい受け入れてきたのですか? すでに多くの陽性患者の入院対応を行っており、今も患者数は増えています。政府チャーター機の患者の受け入れから始まって、クルーズ船の患者もかなりここに送られてきました。 元々、新興感染症の診療経験が多いので、外国籍の方も多く受け入れて、一時外国の病院のようになっていましたね。その頃はかなり病床が埋まっていました。 駒込病院は「1類
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『宇崎ちゃんは遊びたい』とコラボした献血ポスターについて、フェミニストの牟田和恵先生が、各自治体のガイドラインを示して、ポスターはガイドラインに反した性差別であると主張しています。それに対してはすでによい論評がいくつか出ているので [1]「「宇崎ちゃんは遊びたい」×献血コラボキャンペーンの絵は過度に性的なのか?」「宇崎ちゃんを採用した赤十字は現実的」 私が書くべきことはほとんどないのですが、一つ、大学での教育的な点から書いておきたいことがあります。これは続きものになるかもしれない。 ゲンダイの文章は改ページが多くて見通しが悪いので、冒頭から、途中の、ガイドラインに反しているのは明らかだと主張しているところまで引用しましょう。 日本赤十字社が献血を呼びかけるためにweb漫画とコラボで作成したポスターがネット上で論議を呼んだ。今回使われたのは写真の通り、幼い表情で、巨大といってもいいような乳房
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