細馬宏通さんによる連載「オープニングで考えるアニメーション」。「新世紀エヴァンゲリオン」のOPについての考察 第2回目は、歌詞に登場する“いたいけな瞳”というフレーズについて深く掘り下げます。 『残酷な天使のテーゼ』(作詞:及川眠子、作曲:佐藤英敏、編曲:大森俊之、歌:高橋洋子)のタイトルが萩尾望都の『残酷な神が支配する』から着想されたことは作詞者の及川眠子自身によって語られていますが(及川眠子「ネコの手も貸したい 及川眠子流作詞術」リットーミュージック)、実は歌詞にもマンガからとられたとおぼしきフレーズがあります。 それは「いたいけな瞳」です。 1992-93年に連載されていた吉野朔実の『いたいけな瞳』のファンだったわたしは、1995年に『残酷な天使のテーゼ』をきいて、すぐにこのマンガのことを思い出しました。『いたいけな瞳』の登場人物たちは、見てはいけないものを(いたいけであるがゆえに)