料理の「からあげ」は、字幕スーパーでは「から揚げ」か「空揚げ」と書くことになっています。なぜ「唐揚げ」と書いてはいけないのでしょうか。 この食べものが中国の「唐の国」とは直接の関係がないからというのが理由です。しかし、現代の実態としては一般に「唐揚げ」と書かれることがたいへん多く、この基準もそろそろ見直さなければならないかもしれません。 まず漢字表記に限って言うと、日本の史料には「空揚(げ)」よりも「唐揚(げ)」のほうが先に出現していると言われています(『日本料理由来事典』同朋舎出版)。江戸時代に「普茶料理」(精進料理の一種)というものが中国から伝えられましたが、この当時日本で出された料理書には「唐揚」というものが見られるそうです。ただし、これは「豆腐を小さく切り油で揚げ、さらに醤油と酒で煮たもの」で、この食べものが現代の「からあげ」と直接の関係があるのかどうか、よくわかりません。 その後