3日に土石流による大きな被害を出した静岡県熱海市では、1日から雨が降り続いていた。山を背にした被害現場は以前から土砂災害の危険性が指摘されていた。行政はどのように対応していたのか。被害は防げなかったのか。 【土砂にのみ込まれた車両、標識…】被害受けた市街地の様子を見る 土石流が確認された熱海市伊豆山地区は、JR熱海駅の北約1・5キロにあり、伊豆山から相模湾まで険しい地形でホテルや旅館も点在している。伊豆山から相模湾の間には、東海道新幹線の線路もあり、土石流は海沿いまで達したとみられる。 静岡県のハザードマップによると、土石流が確認された伊豆山地区は「土石流危険渓流」に囲まれ、急傾斜地崩壊危険箇所や地すべり危険箇所などが点在する。県から土砂災害警戒区域に指定されていた。 京都大防災研究所の釜井俊孝教授(斜面災害)によると、現場を含む熱海市一帯は溶岩の上に火山噴出物が積み重なっている軟らかく崩