表彰されるJR折尾駅員の大石浩和さん(手前)と千田浩輝さん=2020年12月24日午前10時1分、福岡県警折尾署、板倉大地撮影 10日午後8時50分ごろ、JR折尾駅(福岡県北九州市八幡西区)の北口改札近くに駅員の大石浩和さん(59)が立ったそのときだ。近づいて来た女性に「ここを出たらどちらに行けますか」と聞かれた。黒いコートにズボン姿。30分前、警察から不明者情報を受け、各駅に伝えるJR九州の担当部署から電話で聞いたばかりの特徴と同じだった。 【写真】通りがかった川に溺れた幼児 妻の指令を受け手飛び込んだ夫 JR九州の情報によると女性は40代で、過去に「電車に飛び込みたい」などとほのめかしていたという。大石さんが「失礼ですが」と名前を尋ねると女性は改札の外へと歩き出した。 このままでは見失ってしまう。夜間のため事務所にいる駅員は大石さんを含め3人だけだ。焦っていると、みどりの窓口にいた千田