要約 危険をあおるほどインパクトファクターの高い科学雑誌に論文が掲載されやすい、という近年の環境科学に対するへの違和感の正体について、(1)科学と社会運動(〇〇すべき)の混在、(2)「リスクを減らしたい」ではなく「悪いものに罰を与えたい」という感情、(3)「正しさ」の押し付け、という3つの視点から整理しました。 本文:環境科学への違和感の正体 環境科学は社会へのインパクトが求められるため、インパクトファクターの高い雑誌(一般的に高いほど良い雑誌と見なされる)ほど、「〇〇はキケン!」という結論の論文が掲載されやすくなります。たくさん分析したけどどれも懸念レベル以下でした、という内容の論文は決して価値が低いわけではないのですが、インパクトファクターの高い雑誌には掲載されません。 環境科学のこういう傾向には以前から大きな違和感を抱いてきましたが、ここ数年でこの傾向はますます強くなっていると思いま