大阪ダブル選挙が11月27日に行われた。市長選挙は大阪維新の会代表の橋下徹氏が圧勝、大阪府知事選挙も大阪維新の会の幹事長の松井一郎氏が圧勝した。この大阪維新の会の目玉政策が大阪都構想である。具体的な案はそれほど明らかではないが、地方分権を推し進め、大阪経済圏をひとつの主権国家のようにすることを橋下氏は目論んでいるようだ。筆者は拙著「日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門」にもくわしく書いたが、地方分権には賛成である。 各地方が政策競争を行い切磋琢磨していくべきだし、地方の方が当然だが自分の地域のことはよくわかっているので、霞が関が全てを統制するよりも行政が効率化するだろう。しかしながら、ヨーロッパで起こっているユーロ危機を見ると、地方分権というものに対するひとつの疑問が浮かび上がってくる。すなわち通貨が共通で、財政政策が各地方でバラバラであるという状態がはたしてサステイナブル