阪神ホテルズに端を発した食品偽装問題が全国の一流ホテルや有名百貨店などへと広がっている。消費者や客を裏切る行為であることはもちろん、日々、懸命に食材と向き合い、少しでもいいものを消費者に届けようとする生産者たちの苦労と努力も、同様に踏みにじられたことになる。 阪急阪神ホテルズ系列の中華料理店が昨年9月から提供していた「霧島ポークの上海式醤油煮込み」。ホテル側は、九州南部・鹿児島と宮崎にかかる霧島連山近くの一部地域で飼育されている豚を、材料として求めていた。しかし流通量が少なく、「霧島産」を入手できなかった卸業者は、神戸産の豚肉を代わりに納品していたのだ。メニュー登場以来、一度も「霧島産」は使用されていなかったというのだから、なんとも呆れる。 この卸業者は全国紙の取材にこう答えている。 「40年来の取引先で、注文に応えなければならないと思った。ホテルはコストカットの意識が強く、安い業者が見つ
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