ブックマーク / synodos.jp (10)

  • 流動的人間関係原理からみた課税の正当化原理――左翼リバタリアンの理屈/松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』 - SYNODOS

    流動的人間関係原理からみた課税の正当化原理――左翼リバタリアンの理屈 松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』 経済 #リスク・責任・決定、そして自由!#リバタリアン 前回は、固定的人間関係から流動的人間関係にメジャーなシステムが転換した際に、それにのっとる役回りを果たしたはずの路線が、かえって固定的人間関係の方にフィットした思想を、自分の正当化のための原理として取入れてしまった矛盾について確認しました。 流動的人間関係がメジャーなシステムへの転換にのっとる役割を果たした路線というのは、新自由主義と「第三の道」のことですが、それぞれ、新自由主義はナショナリズム、「第三の道」はコミュニタリアニズムという、いずれも個人より集団を優先させる思想を取入れたわけです。 前回大事な論点なのに書くのを忘れてしまったのですが、私見では、「第三の道」が「小さな政府」路線を志向してしまった大きな原因の

    流動的人間関係原理からみた課税の正当化原理――左翼リバタリアンの理屈/松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』 - SYNODOS
  • 「家族」を擁護する――『事実婚と夫婦別姓の社会学』(白澤社)/阪井裕一郎(著者) - SYNODOS

    書は、事実婚と夫婦別姓をめぐる諸問題を、社会学の視点から検討したものである。 大学院時代の私は、「家族の多様化」をめぐる研究関心から、日における事実婚カップルの実態を明らかにしようと、いわば「見切り発車」状態で当事者へのインタビュー調査を開始した。 しかし、話を聞くなかで、まず私が抱いていた「事実婚vs.法律婚」という素朴な前提が覆されていった。調査を通じて、当事者の多くが、「夫婦別姓」のために(より正確に言うならば、婚姻時に双方が姓を変えないために)、事実婚という選択を強いられているという現実に直面する。多くの当事者が法律婚を望んでいたり、「結婚」そのものに肯定的な態度を有していることに気づかされたのである。 当初私は、「意外に保守的?」という印象も抱いた。だがしだいに、そもそも自分自身が「保守的」だと感じたこの感覚それ自体が正しいのだろうかと考えるようになった。自分はどのような部分

    「家族」を擁護する――『事実婚と夫婦別姓の社会学』(白澤社)/阪井裕一郎(著者) - SYNODOS
  • 「シルバー・デモクラシー」の虚偽/吉田徹 - SYNODOS

    「シルバー・デモクラシー(シルバー民主主義)」という言葉が人口に膾炙してから久しい。その象徴として、国政選挙での若年層の低投票率などが取り上げられる。これは選挙報道で各党や各党候補者を平等に扱えず、かといって政策検証などは関心をひかないため、中高年視聴者や読者のための恰好のネタでもあるからだ。ただ、その効果は無視できないと見え、メディア関係者のみならず、大学生などと会話していると、日の民主主義の問題点として、必ずといっていいほどなされる主張だ。なお、先の2021年衆院選で60代の投票率は71%、対して20代の投票率は36%だった。 そもそも「シルバー・デモクラシー」は何を意味するのか――もっとも早くこの言葉を使ったのは、著名な政治学者だった内田満が1986年に著した『シルバー・デモクラシー 高齢社会の政治学』(有斐閣)だと思われる。ただ、これは長寿社会を迎える日で、高齢者がいかに政治

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  • カナダにおける知的障害者の脱施設化から日本が学ぶべきこと/鈴木良 - SYNODOS

    1.カナダと日 1980年代のカナダでは、100床以上の知的障害者入所施設(以下、施設)で、約1万名以上の人々が生活していた。オンタリオ州(以下、ON州)やブリティッシュコロンビア州(以下、BC州)には、2千床以上の施設すらあった。しかし、知的障害者の親の会や知的障害者人(以下、人)の会が、施設の暮らしに問題を感じはじめ、施設を閉鎖するための運動を起こした。そして行政も、運動団体の主張に応えて政策を実行した。 BC州では1981年に、障害者福祉を管轄する省庁長官が、州立施設3つを閉鎖すると宣言した。これらの施設では1980年代に、約1,500名の知的障害者が暮らしていたが、1996年に閉鎖された。またON州では、約6,000名の知的障害者が生活していた16の州立施設が、2009年に閉鎖された。これらの州では民間施設も閉鎖されている。しかし、マニトバ州、サスカチュワン州とアルバルタ州に

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  • ひきこもりと犯罪/井出草平 - SYNODOS

    昨今、ひきこもり状態にある者の犯罪が立て続けに起こっている。それに対して、「ひきこもりの犯罪は稀である」という啓蒙記事が新聞には掲載された。この種の報道は正しい。たとえば、東京新聞には下記のような記事が掲載されている。 関連事件の割合わずか 紙と紙が加盟する共同通信の記事データベースで、殺人、殺人未遂事件の容疑者で引きこもりだったと報じられたケースが何件あるかを調べた。その結果、1999年から2019年までの過去20年間で43件あった。事件発生後の捜査当局での証言、証拠などから明らかになったものですべてを網羅するデータとは言えないが、年平均で約2件だ。…(中略)…殺人の認知件数は1999年に1265件で、2003年頃に1400件を越えたが、それ以降は減少傾向。過去5年では900件前後だ。そうすると、「年2件」は全体の0.002%でしかない。(「東京新聞」2019年6月6日) 東京新聞に

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  • 韓国の非熟練外国人労働者の受け入れにみる日本の政策へのインプリケーション/春木育美 - SYNODOS

    2019年4月、日政府は改正出入国管理法を施行し、外国人労働者政策を大きく方針転換した。これまで原則認めていなかった非熟練労働者(単純労働者)を正式に受け入れるという、重要な政策転換だ。 新たな在留資格「特定技能」を創設し、一定の技能と日語能力のある外国人(特定技能労働者)に、日での就労を認めた。 特定技能は、最長5年間の期限付きで家族帯同を許されない1号と、在留期間の延長が無制限で家族の帯同ができる2号に分かれる。特定技能の資格を取得する要件として、「日語能力試験」と「技能評価試験」の両方にパスすることを課した。 また、特定技能制度の開始にともない、外国人との共生社会実現に向けて「外国人材の受け入れ・共生のための総合的対応策」をまとめた。 その大きな柱となるのが、全国100カ所の相談窓口「多文化共生総合相談ワンストップセンター」の設置や行政サービスの多言語化、在留外国人への日

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  • ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり/井出草平 - SYNODOS

    ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり 井出草平 社会学 社会 エグゼクティブ・サマリ 久里浜医療センターの樋口進氏らのグループが発表した論文から、ゲーム障害を過剰診断していく方針が読み取れる。この論文は厚労省・文科省の政策にも影響があると考えられ、ゲーム好きの健康な子どもや若者たちが、精神疾患とレッテルを貼られ精神科病棟に入れられる未来も現実味を帯びてきた。 先日、ゲーム障害の有病率調査が久里浜医療センターによって発表された。【注1】英語論文として発表されたため、まだ一般には知られていないが、専門家の間ではかなり話題になっている。というのも、久里浜医療センターはゲーム障害でない人を診断しようとしているのではないか、と、いわゆる過剰診断を懸念する声が湧き上がっているからである。 稿では、久里浜医療センターの研究を紹介

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  • 「空襲は怖くない。逃げずに火を消せ」――戦時中の「防空法」と情報統制/大前治 - SYNODOS

    空襲の安全神話 1枚の写真をご覧いただきたい。 畳の上に炎があり、男女3人が水をまいている。昭和13年に東部軍司令部の監修で作られた12枚組ポスターの一つで、今でいう政府広報である。表題には「落下した焼夷弾の処理」とある。 それにしても不思議な光景である。屋根を突き破って落ちてきた割には弱々しい炎。天井や畳は燃えていない。焼夷弾の間近に迫って怖くないのか。アメリカ軍の焼夷弾はその程度のものなのか。一杯目のバケツで水をかけた後は、一体どうするのか。この一つの炎のために次々とバケツリレーをするのか。謎が深まる。 もう1枚。同じ12枚組の1つである。 ショベルの先に小さな「焼夷弾」らしき物体があり、「折よくば戸外に投出せ」と書かれている。こちらも、畳や障子はまったく無傷である。 こんな対処法が可能とは思えない。実戦で使用された焼夷弾は、発火装置と燃焼剤が一体となっており、投下されると数十メートル

    「空襲は怖くない。逃げずに火を消せ」――戦時中の「防空法」と情報統制/大前治 - SYNODOS
    anatadehanai
    anatadehanai 2021/08/04
    これ本当にこの通り学校で習ったと当時中学生だった人に聞いた。「まずよく見て、爆発したらバケツの水をかけろ、爆発しなかったらスコップですくって窓から放り出せ」と言われたとか。
  • 個人化時代の労働観――データで読みとく「互恵的義務の消失」と意識の世代変化/米田幸弘 - SYNODOS

    「職場の若者とどう付き合えばよいのか」「どうすれば若者に辞めずに働いてもらえるのか」「どうすれば今時の若手社員はうまく育つのか」・・・職場で若者との接し方に悩んでいる人は多いことだろう。年長者と若者との間にある価値観のギャップは古くから問題になってきた。このギャップが生じる原因には、大きく分けて2つのパターンがある。1つ目は、加齢によって価値観が変化したためにギャップが生じる可能性である(=加齢効果)。年齢とともに経験を積むことで、社会性が身につくこともあれば、考え方が保守化することもある。「今時の若者は・・・」とグチをこぼしている中高年も、かつては今の若者と似たようなものだったのかもしれない。 2つ目は、加齢によっても変わらない世代特有の価値観というものがあり、それが「世代間ギャップ」を生むという可能性である(=世代効果)。これは、人格形成期にどのような時代を過ごしたかによって、各世代が

    個人化時代の労働観――データで読みとく「互恵的義務の消失」と意識の世代変化/米田幸弘 - SYNODOS
  • タイでクーデタが繰り返される理由――タイ民主化の未来は暗いのか?/外山文子 - SYNODOS

    2014年5月22日、タイで再びクーデタが起きた。絶対王政を倒した1932年立憲革命以来、13度目のクーデタ、21世紀に入ってからは2度目のクーデタとなった[1]。 クーデタはタイの風物詩のように捉えられているむきもあるが、1990年代には、もはやクーデタは起こらないだろうと思われていた。今回も、インラック首相とプラユット陸軍総司令官の関係が良好である、国際的な影響に配慮するだろう等々の理由から、クーデタは起こらないだろうと言われていた。 ところが、クーデタは起こった。なぜ21世紀に入ってからも、タイでクーデタが起き続けているのか。稿では、その理由について、より長期的な視点から解説を試み、1990年代以降に新たに制定された2つの憲法こそが21世紀に入ってから起こった2度のクーデタを引き起こしたこと、今回クーデタの目的が情報統制それ自体であり、その背後には王位継承に対する懸念が関係している

    タイでクーデタが繰り返される理由――タイ民主化の未来は暗いのか?/外山文子 - SYNODOS
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