写真家、作家、画家、そして旅人。ジャンルの枠に捉われずに表現し続けてきた藤原新也さんは、どのように仕事と向き合ってきたか。インスタグラム全盛期に何を見出し、映し出すのか。今の時代の表現について聞きました。 制作:谷口 陽+朝日新聞デジタルスタジオ 撮影:佐藤新也 ※この記事は2020年3月10日に取材・撮影したものです。 写真に「こうあるべき」っていうのはないんだ ──藤原さんの新著『日々の一滴』のまえがきではインスタグラムについて書かれていました。誰もがスマホで写真を撮れる今の時代に、写真家はどうやって自分の作品を生み出すべきでしょうか。 本にもあるようにね、「べき」っていうのはいけない。 ──そうでした……、本の中には「君たちは君たちの写真を撮れ。俺は俺の写真を撮る」ともありましたね。 うん、写真はそれぞれの世代の、社会に対するスタンスだと思う。インスタグラムにはその世代の若者との向き