真新しいJR久留米駅(福岡県久留米市)を出ると、屋台のモニュメントが迎える。そこには「とんこつ発祥の地」の文字。「豚骨ラーメンと言えば博多ラーメン」と見られがちだが、久留米の人たちの自負は強いようだ。 毎年10月2日、「久留米・ラーメン会」の加盟11店の店主らが神社で一堂に会し、厳粛に供養祭を執り行う。供養の対象は、豚骨ラーメンには欠かせないブタだ。会は「10(とん)」「2(ツー)」の語呂にかけ、10月2日を「とんこつラーメンの日」と定め、各店の店舗で替え玉や半熟卵をサービスする催しも開いている。 会の相談役、「大砲ラーメン」の香月均史社長(58)は「豚骨ラーメンの発祥の地は、間違いなく久留米です。ぜひ発祥の地で久留米ラーメンを食べてもらいたい」とアピールする。 では、誰が発祥の地を久留米と特定したのか――。そんな疑問も頭をよぎる。認知されたきっかけは、九州ラーメン研究会の代表を務める原達