ニュース映像の一部。左の兵士が右手に刀を持っている 台湾中部の山中、霧社という地区で1930年に起きた大規模な抗日の反乱「霧社(むしゃ)事件」直後に、現地の様子を朝日新聞社が撮影したニュース映像がこのほど見つかった。国内の研究者が保管していたもので、本社が寄贈を受けた。一般にも貸し出す予定だ。 「霧社蕃害(ばんがい)事件」(5分22秒、30年に大阪本社が制作)と題された映像は、詳しい経緯ははっきりしないが、90年代前半、台湾の戦前史研究に熱心な三田裕次さん(60)=東京都小平市=の手元に渡った。台湾の博物館から映像がないか問い合わせを受けた朝日新聞社が探していたところ、三田さんの手元にあることがわかり、このほど寄贈を受けた。 映像は「台湾総督府撮影許可」の字幕で始まり、地元民らの子弟が通う「霧社公学校」の校内などが映し出される。日本軍と地元民が対峙(たいじ)する様子もある。「警手」と