【北京=野口東秀】聖誕節(クリスマス)ムードに包まれた北京市内のマンションの一室でこのほど、中国政府に公認されていない“地下教会”のミサがひっそりと開かれた。50人を超す参加者の多くは20代、30代の大卒者。約半数は女性だ。共産党の指導を拒否し、信仰の自由を求める地下教会が、高学歴層や知識層にも広がっていることをうかがわせた。 天井と壁を十字架が彩っていた。信者名義の3LDKマンションは教会組織が資金を出し、借りている。女性のピアノ伴奏に合わせて合唱し、牧師(33)が「心の平安をどう保つか」を説いた。一見何の変哲もないミサにみえるが、どことなく緊張感が漂っていた。 地下教会には、牧師の政府批判などを把握するため、当局側の人間が潜り込んでいるといわれてきた。コンピューター関連企業に勤める30代の女性は「中国共産党の指導やかかわりを拒否したい。でも、政府のやり方はわかっているから、心の中では緊