カウンターで子ども連れの若い夫婦に尋ねられる。 ――本を探すとき、どうしたらいいのですか? 図書館を初めて利用するのだろうか。年配の方からはよく受けるけれど、若い人にはめずらしい質問だな、と思いながら、資料検索用の利用者端末があって、そこに探したい本のタイトルやテーマを入れればいいことを説明すると、面食らったように、 ――自分で探すのですか!? こちらも同じくらい目を丸くしてしまったと思うが、いやいや仕事中と気を取り直して、もちろんこちらでお探しすることもできますが、というと、探していたのはハリー・ポッターシリーズの古いものだった。これ以上ないくらい明確に探している本がわかっているじゃないか、とお客さんじゃなければツッコミたくなるところ。 最近、こういう利用者が増えているように思う。読みたい本に予約をし、用意されたその本だけを受け取って帰っていくのも、やはり同じことだ―