IoTエッジ機器のPoC(Proof of Concept)や少量の量産には、ArduinoやRaspberry Pi(以下、ラズパイ)がよく使われている。どちらもマイコン搭載ボードに複数の周辺ボード、さらにソフトウエアを組み合わせて、機器の電子システムを構築できる。Arduinoやラズパイより、もっと小さくもっと簡単に組み立てることができるボードを研究開発する日本のプロジェクト「トリリオンノード・エンジン」が2021年3月に完了、商用化の動きが本格化した。
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システム開発が大幅に遅延し、サービス計画が頓挫したとして、野村ホールディングス(HD)と野村証券が日本IBMを相手取って計約36億円の損害賠償を求めた裁判。2019年3月の一審東京地裁判決では一部の請求を認め、日本IBMに約16億円の支払いを命じた。 だが、2021年4月21日の控訴審判決で東京高裁(野山宏裁判長)は一審判決を変更し、野村側の請求を棄却した。なぜ一審判決が覆され、野村2社が逆転敗訴となったのか。約90ページに及ぶ判決文から控訴審判決の経緯を読み解く。 プロジェクト遅延の原因は野村側と認定 訴訟の対象となったシステム開発プロジェクトの始まりは2010年。野村2社は、個人が資産運用を証券会社に一任する金融サービス「ラップ口座」向けフロントシステムの開発を日本IBMに委託。スイスの金融系ソフト大手テメノス(Temenos)が開発したパッケージソフト「Wealth Manager」
米Google(グーグル)が2021年4月、AndroidやLinuxカーネルを開発するプログラミング言語に「Rust」を採用すると明らかにした。Rustの採用は米Microsoft(マイクロソフト)もWindows OS開発で進める。CやC++の独壇場だったOS開発に、2015年に「バージョン1」になったばかりの新世代言語であるRustが採用される背景には、サイバー戦争の深刻化がある。 グーグルは2021年4月6日(米国時間)に、Android OSの開発言語にRustを採用すると発表した。また同社は8日後の2021年4月14日(同)に、Linuxカーネルの開発にRustが適していると公式ブログで主張すると共に、Linuxカーネル開発へのRustの採用を目指す団体である「Rust for Linux」に参加したことを明らかにしている。 マイクロソフトはグーグルよりも早い2019年7月の時
厚生労働省が新型コロナウイルス感染拡大防止策として導入した接触確認アプリ「COCOA(ココア)」に前代未聞のトラブルが発生している。2021年2月3日にAndroid版のCOCOAで、陽性登録したアプリ利用者と接触しても検知しない障害が明らかになった。検知しないため当然通知も来ない。 障害は2020年9月28日のバージョンアップに伴い発生。その機能がなければCOCOAが「無用の長物」と化してしまう中核機能が働かないという前代未聞の障害がなぜ4カ月以上も見過ごされたのか。掘り下げて取材すると、行政機関が委託元となるソフト開発・保守の発注の在り方から課題があることが見えてきた。 「お粗末」と菅首相もバッサリ COCOAはスマートフォンのBluetoothを使って、COCOA導入ユーザー同士の接触を検知・記録するアプリである。新型コロナ感染症の陽性者と接触した可能性が生じた場合、COCOAがユー
タイトル:漁師コンピュータ 投稿者:高橋信頼(0x20歳台) 出典:オリジナル 半導体微細加工の限界がささやかれる中、これまでのコンピュータと根本から異なる、新たな計算原理に基づいたコンピュータの可能性に対し注目が集まっている。その新たな計算原理とは「漁師コンピュータ」である。 漁師コンピュータは、多くの魚からなる魚群を様々な状態の重ね合わせとして捉え、群れを泳がせることで複数の計算を同時に実行する。漁師が網で魚群を捕らえ、漁船に引き上げた瞬間に、状態の重ね合わせであった魚群の確率関数は水揚げへと収束し、計量可能になる。これが漁師コンピュータの原理である。特に、地引網により深海魚を捕獲することで実現する漁師アンコウは、「究極のアンコウ」として東西新聞の山岡士郎記者にも絶賛されている。 しかし、実用化までには解決しなければならない課題も多い。漁師トンネル効果により魚が網をすり抜けてしまう問題
ドローンの小型化・高性能化により、防衛上脅威となる国やテロリストが操作するドローンが群れを成して襲来する「飽和攻撃」が想定されている。ドローンは出現予測が難しく、発見した時点でかなり接近していると考えられ、対処の時間に猶予が無い。 こうした事態に備えるため、防衛省の外局で防衛装備品の研究開発や調達を担う防衛装備庁は、ドローンの迎撃にも役立つ技術の研究を進めている。その成果を2019年11月に催した「防衛装備庁技術シンポジウム2019」で披露した。 高出力マイクロ波と高出力レーザーの組み合わせも 公開したのはミサイル防衛(MD)などのために研究している「高出力マイクロ波」を小型ドローンに照射した試験の成果である。MDに向けて研究している技術が、小型ドローンを墜落させることも原理的には可能であると試験で判明した格好だ。 高出力マイクロ波の利点は幾つかある。具体的には(1)照射対象に光速で到達す
Pythonが大変な人気を集めている。先日、都内の大型書店のプログラミング書籍コーナーに行って驚いた。とにかくPythonの解説書が大量にあるのだ。複数の書架をPythonの解説書が埋め尽くしている。すべてのプログラミング言語の中で書籍数が一番多いように見えた。これほどまでに増えているとは正直、思っていなかった。 自社の近くにある中規模の書店でも確かめてみた。ビジネス書が中心で技術書はあまりないタイプの書店だ。それでも、タイトルにPythonを含む書籍は10冊近くあった。他の言語の書籍は、メジャーな言語でもせいぜい1~2冊程度。対照的な状況である。 Pythonが人気を集めるに従って、Pythonのことを褒めそやす記事も増えている。そうした記事には、例えば「Pythonのコードは書きやすい」と書かれていたりする。Pythonで有名なプログラマーが言えば説得力があるが、あまりコードを書かない
まずは必要な書類や費用を把握する こうした徒労を少しでも減らしたいなら、準備が必要だ。ショップへ行く前にキャリアのヘルプページで「契約者死亡」や「解約」などのキーワードで検索して、必要な書類などを不備なくそろえておく。何が必要かはキャリアごとに異なるが、大まかにいえば以下の3種類になる。 契約対象そのもの……端末、SIMカード、契約書類など 契約者の死亡が確認できる書類……戸籍謄本や会葬礼状など 手続きする人の身分証明……運転免許証、続柄が証明できる書類、印鑑 承継(契約内容を遺族が引き継ぐこと)に対応しているキャリアも多いので、解約以外にどんな選択肢があるのか確認することも重要だ。解約しか選べないキャリアでも、ナンバーポータビリティーを申請して電話番号を別の端末へ持ち出すことはできる。 費用も確認しておく。死亡時には契約解除費用がかからないケースが多いが、端末料金の残金や契約解除時までの
いやぁ、随分笑わせてもらった。何の話かというと、最近、政財界で組織のトップとパソコン利用について耳目を集めた例の騒動である。騒動の舞台はもちろん日本経済団体連合会(経団連)と国会だ。経団連会長とサイバーセキュリティー担当大臣が「パソコンを使えない」との疑惑や事実が騒ぎの発端だった。この騒動は本当に笑えた。言っておくが、経団連会長や大臣が笑いの対象ではないぞ。騒いでいる人たちを笑ったのだ。あんたら、一体いつの時代の人やねん! 2つの騒動について復習しておくと、最初の騒動の舞台は2018年10月下旬の経団連だ。火付け役となったのは「日立製作所出身の中西宏明会長が会長室に初めてパソコンを設置し、職員にメールを出した」との新聞報道。記事が出るや、Twitterなどのソーシャルメディアでは「経団連の歴代会長はパソコンを使っていなかったのか」との驚きの声が上がり、「IT後進国ニッポンの象徴」などといっ
これまでは、周囲から正当な評価を得るためのスーツの選び方について解説してきました。まずスーツはサイズにこだわって選びます。スーツの色は自分が相手にどのような印象を与えたいかによって、紺色か灰色のどちらかを選びます。黒を選ぶのは非常識なので、選んではいけません。と、前回まではここまで解説しました。 今回はスーツを離れて、バッグと靴の選び方を取り上げます。バッグや靴などのビジネスアイテムでも、あなたが常識だと思っていることが実は非常識といったことがあるでしょう。せっかく自らの印象を高めるスーツを選んだとしても、ほかのアイテムの選び方に失敗すると印象を損なってしまうかも知れません。 ビジネス現場のリュックにメリットなし まずバッグから解説していきます。あなたは通勤にどのようなバッグを使っていますか。SEはノートPCやコード類、資料などを持ち歩くことが多く、荷物が重くなりがちです。そこでリュックサ
ソニーは2018年7月31日、手のひらサイズのマイコンボード「SPRESENSE(スプレッセンス)」を発売した。ハイレゾ音源の録音/再生機能や消費電力の低さなどで、先行するRaspberry Piと差異化を図る。
最近、少し不思議な事に気付いた。とても優秀なプロジェクトマネジャー(プロマネ)2人から続けて話を聞く機会があった時のことだ。片方がユーザー企業側のプロマネ、もう片方がITベンダー側のプロマネで、どちらも「私、失敗しないので」と言えるほどの力量の持ち主である。だからプロマネの極意の話になると両者ともよく似ている。だが1つだけ、2人の認識が決定的に異なった。何かと言うと見積もりのタイミングだ。 まずITベンダー側のプロマネは「要件定義の後に概算見積もり、基本設計の後に詳細(正式)見積もり」と言う。この認識については、多くのプロマネや技術者がアグリーするだろう。「えっ、最近の客は要件定義をまともにできないから、そんなので見積もったら、いくら概算とはいえロクな見積もりはできないよ」などと、まるでこの「極言暴論」のようなツッコミを入れてくる読者もいるかと思うが、原則としてこの認識は正しいだろう。 だ
コンピュータに最初に触れたのは、中学1年のときに家にパソコンが来たことでした。父親がコンピュータソフトウエア開発の会社を立ち上げて、家に開発用のDOS/Vパソコンがやって来たのです。 悔しいことに、その時点ではプログラミングにはあまり興味を持ちませんでした。単なるゲーム機の一種としてDOS/VやWindows 3.1のパソコンに触れていたというのが実情です。高校まではプログラミングは全くやっていませんでした。 世の有名なプログラマーは、たいてい小さい頃から街頭でパソコンを触っていたりマイコン雑誌を読んだりしています。それに比べると、コンピュータにあまり興味を持たなかったことにコンプレックスや一種の後ろめたさを感じています。 留学でコンピュータの重要性に気づく 1996年に国際基督教大学(ICU)に入りました。ICUには教養学部(リベラルアーツ)という一つの学部しかありません。「最初の2年間
Haskellというプログラミング言語を知っていますか? 全く聞いたことがないという人が多いかもしれません。そういう名前の言語があるのは知っているけど,どんな言語かは知らないという人もいるかもしれませんね。でも最近では,一部の先進的なソフトウエア開発者の間で,一種のブームと言えるほど熱狂的に受け入れられています。 なぜならば,Haskellは様々な優れた特徴を持っているからです。最初に,他の言語にはあまり見られない際だった特長を一つだけ紹介してみましょう。「遅延評価(lazy evaluation,怠惰評価ともいう)」です。 遅延評価とは,与えられた値を必要になるまで評価(計算)しないということです。この性質により,不必要な計算が行われる無駄をなくすことができます。また,「潜在的に無限の大きさを持つデータ構造」といった通常のプログラミング言語では扱いの難しいものを直接扱えるため,より直接的
イーツリーズ・ジャパンは,専用LSIを用いたハードウエア処理によって,高さ1.5Uのきょう体1台で50万接続まで可能なWebサーバー専用装置「freeocean」を,2006年7月中旬に出荷する。狙いは「負荷分散装置と複数のWebサーバーを組み合わせたシステム全体を1台で置き換える」(イーツリーズ・ジャパン)こと。価格は機能をWebサーバーに限定し同時接続3万2768コネクションまで可能なエントリ機種が400万円(税別),キャッシュ機能を備えた機種が600万円(税別)。販売目標は今期300台。 freeoceanは,HTTP,TCP/IP,イーサネットなどWebサーバーの機能に必要な最低限のプロトコルをFPGA(Field Programmable Gate Array)で実現したWebサーバー専用装置である。ハードウエアによるHTTPサーバー機能に加え,Perl言語処理系やServlet
Winnyの通信を特定する方法には,「流れるパケットのパターン(トラフィック・パターン)を調べる方法」と,「パケットの中身を調べてWinnyのパケットであることを確認する方法」の2通りがある。前者は,直接中身のデータをのぞいているわけではないため,通信の秘密を守るという大前提があるプロバイダがWinnyを規制する際に使っている。しかし,Winnyの通信を確実に特定するなら,後者の方法がベストである。実際にWinnyの通信を解読できるのか,Winny作者の金子勇氏の著書『Winnyの技術』やインターネットで得られた情報などを参考に挑戦してみた。 Winny(ウイニー)同士の通信はすべて暗号化されている。このため,流れるパケットをのぞいても,内容がどんなものなのかだけでなく,Winnyの通信なのかどうかも,ひと目ではわからない。Winnyが採用している暗号アルゴリズムRC4は,Webアクセスや
ミクシィのCTOが語る「mixiはいかにして増え続けるトラフィックに対処してきたか」 YAPC::Asia 2006 Tokyo 東京都大田区で開催されているPerl技術者向けカンファレンス「YAPC::Asia 2006 Tokyo」で2006年3月29日,日本最大のソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)である「mixi」を運営するミクシィのBatara Kesuma(バタラ・ケスマ)取締役最高技術責任者(CTO)が,増え続ける膨大なトラフィックにどのように対処してきたのかについて講演した。カギとなるのは「データベース分割」である。 mixiのシステムはもともとBatara氏が1人で作り上げたものだ。2003年当時,米国でFriendsterなどのSNSがはやっており,同氏が会社(現在のミクシィ,当時はイー・マーキュリー)にSNSを作りたいと提案したところ認められたという。同氏が
Eメールから,真正なサイトになりすましたWebサイトに誘導し,IDやパスワードなどの情報を盗み取るのがフィッシングだ。フィッシングによる金銭的な被害は,国内でも2004年9月には発生している(関連記事)。それから1年以上が経つ。Webサイトにとって基本的なフィッシング対策の一つは,SSLをログイン画面から使うこと。しかし,この基本対策をなおざりにしているWebサイトがまだ多い。 SSLならアクセス先を確認できる 一見,暗号化のためのSSLとフィッシング対策とは,関係ないようにも思える。でも実は,SSLには暗号化のほかに,電子証明書で身元を証明するという機能も備わっている。Internet ExplorerなどのWebブラウザで,SSLを使用していることを示す鍵(かぎ)マークをクリックすると,電子証明書が表示される。利用者が意識してこの証明書を確認すれば,アクセス先がどこであるかが判別できる
最近,Webエンジニアのまわりで注目されている技術に「Ajax」(エイジャックス)があります。従来のWebアプリケーションはインタラクティブな処理の際,ユーザーにページのリロード作業を強いることが多く,決して操作性が良いとは言えませんでした。しかしAjaxを利用すると,サーバーと非同期な通信ができるので,ページをリロードすることなくコンテンツを更新できます。このためデスクトップ・アプリケーションと同様な操作性を持つWebアプリケーションを作成できます。本連載では,実際にAjaxアプリケーションを開発しながら,Ajaxアプリケーションの動作の仕組みや,既存のWebアプリケーションとの違い,実装上の注意点などについて紹介していきます。 「枯れた技術」を組み合わせる 筆者にとってAjaxの第一印象は強烈でした。「Google Map」のスムーズな地図操作,「Google Suggest」のリアル
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