名護市長選挙で、米軍基地の辺野古移転に反対した稲嶺進氏が当選したことで、日米合意の実現は絶望視されている。これについて平野官房長官が「民意を斟酌する必要はない」と発言したことが地元の反発を呼んでいるが、市長選で表明された「民意」とは何だろうか。 問題が米軍基地だから大問題になっているが、これは本質的にはゴミ処理場や原発と同じ迷惑施設の問題であり、「沖縄の心」などのセンチメンタルな話は忘れたほうがいい。ゴミ処理場の周辺住民の「民意」を住民投票で決めたら、ノーという結論が出るのはわかりきっている。それを100%尊重したら、公共的に必要な迷惑施設はまったく建設できなくなる。 この種の問題はありふれており、解決策もはっきりしている。地元に賄賂を出すしかないのだ。これは違法行為という意味ではなく、「コースの定理」としてよく知られている考え方によるものだ。迷惑施設に対して政府が補償金を支払い、周辺住民