イラスト/阿部結この記事の写真をすべて見る SNSで「売文で糊口をしのぐ大センセイ」と呼ばれるノンフィクション作家・山田清機さんの『週刊朝日』連載、『大センセイの大魂嘆(だいこんたん)!』。今回のテーマは「褒める人」。 * * * 自己啓発本というやつが嫌いで、めったに読まない。自己啓発本を「ジコケー」などと略して呼ぶ人はもっと嫌いで、生涯交友を結ぶことはないと思ってしまう。 しかし、『嫌われる勇気』(岸見一郎 古賀史健・ダイヤモンド社)という本は別格であった。アドラーという心理学者の教えを対話形式で解説している本だが、実によくできた本だった。 大センセイが一番ピンときたのは、 「子供を褒めて育てるっちゅうのは、間違いやでぇ」 というアドラーさんのひと言である。なんでもアドラーさんは、「賞罰教育」を否定したんだそうである。 子供が親にとって都合のいいことをやっていれば褒めてやり、都合の
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