メトロポリタン美術館展の《信仰の寓意》。 リーフレットの表紙にフェルメールは使われていないんですね。ラ・トゥールの《女占い師》やドガの《踊り子たち、ピンクと緑》が配置されています。 これは目玉作品ではないのかな…と後で数冊の本を調べたところ、フェルメール作品の中でも、評価が低いようですね。赤瀬川原平さんが「フェルメールさんにしては変な絵。スカートのしわも雑」とかなり辛辣な評を書いています。 引用:メトロポリタン美術館展公式サイトより これも説明文を読まないと、解読が難しいタイプの絵ですね。フェルメールの多くは、窓辺の近くで静かに過ごす普通の人たちを描いたものなので、確かに寓意絵は異色です。 床にかじった林檎と、頭を押しつぶされた蛇が転がっているところから、女性は楽園を追われたイブの象徴で、地球儀を踏みつけているのは今の生活を憎悪している―――という意味かと思いました。 呪いも信仰のひとつで