Aではない君と (講談社文庫) posted with ヨメレバ 薬丸 岳 講談社 2017-07-14 Amazon Kindle 楽天ブックス ※ネタバレ注意 読んでいて息が詰まる場面が何度もあった。少年がその場で感じている苦しみや底しれぬ怒りの感情が私に憑依しているかのようで、自分でもコントロールできなった。あの感覚は本書を読むことでしか体験できないものだったと思う。 薬丸岳の小説を読むのは初めてだった。彼の情報を集めているときに知ったのだが、彼は少年犯罪に関する小説を書き続けているらしい。ひとつのテーマに拘って書き続ける小説家は何人もいる。が、少年犯罪という個人によって考え方が異なるテーマを、事件単位で事件性や動機の意味合いも全く異なる領域を頑なに攻め続けるのは気が滅入る作業だろうと推察する。きっとそれでもなお訴えかけたい思いがあるのだろう。 少年たちは学校や彼らのもつコミュニティ