『きのう何食べた?』が面白いマンガであり、レシピ本としても優れているのは有名なハナシですが、最近私はあのマンガがもっと特殊なジャンルのような気がしてきました。 違うんです、BLだとかラブストーリーとしても読めるとか、そういうのでもないんです。 私にとって『きのう何食べた?』は知人マンガなんです。そんなジャンルないけど。知人の近況報告を聞くために単行本買うかんじというか。1巻を読み返すと、アルバムをめくっているみたいな気持になるというか。 私にはシロさんとケンジはもう、漫画の中の人じゃない気がするんです。なんつーか、ほとんど知り合いみたいなもんというか。 「今日はハンバーグかー。作るの大変じゃなかった?」 「玉ねぎ炒めないやつだから、そうでもなかった」 「あ、シロさんのやつか。あの人のレシピはほんと使えるの多いわ」 「料理うまいっていうか、ほんとに作るの好きなんだよな。まめだし、感心するわ」