火山の内部、宇宙線で透視 薩摩硫黄島 東大など初成功2008年11月13日19時0分印刷ソーシャルブックマーク 薩摩硫黄島の内部。青い部分がマグマとガスが混じり合っている場所。その上にのびる黄色い部分はマグマの通り道=東京大地震研究所提供 東京大、高エネルギー加速器研究機構、産業技術総合研究所のグループが宇宙線を使い、鹿児島県の火山島、薩摩硫黄島(標高704メートル)を透視することに成功した。活動中の火山の内部を見たのは世界初で、噴火予知の新たな観測手段になりうるという。 東京大地震研究所の田中宏幸・特任助教らは、地球に降り注ぐ宇宙線「ミュー粒子線」を受けて記録する装置を開発し、8月の約1カ月間、火山性ガスを噴き上げて活動中の同島に置いた。ミュー粒子は素粒子の一種で透過力が強い。密度の低いところはほとんど通り抜けるが、密度の高いところでは吸収されるため、レントゲン撮影のような透視像が得られ