絶滅が危惧される太平洋クロマグロ(本マグロ)を保護するための漁獲規制に違反する事例が、全国で相次いで発覚している。日本はマグロ消費量が断トツに多いだけに、資源管理が甘いと国際的な批判を招く恐れがある。 日本周辺を含むマグロ資源を管理する「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」は2014年、資源保護を目的に30キログラム未満の幼魚の漁獲量を「2002~2004年平均の半分以下」に抑えることなどを決めた。この決定に基づき日本政府は沿岸クロマグロ漁を「承認制」とし、地域や漁法ごとに漁獲していい上限を定めている。 他の魚種の漁との区分が難しい ところが、2016年11月、長崎県と三重県でルール違反の懸念が表面化し、水産庁が調査を開始。同12月にまとめた中間報告で、長崎県の対馬では約12トンを無承認で漁獲した可能性があるほか、約30トンにのぼる未報告の漁獲量が明らかになった。このため、マグロ漁を