岡本喜八監督による映画『日本のいちばん長い日』(1967年)。日本の降伏に至る最後の数日間、とりわけ8月15日の「玉音放送」までの24時間を、息詰まるような緊張感で描いた名作、と評価されている。 ただし、私はこれが名作とはまったく思わない。その理由は以前こちらの記事に書いておいた。 この映画の「感動的」シーンの一つに、最終的にポツダム宣言受諾を決めた御前会議(1945年8月14日)の席上、天皇裕仁が涙ながらに降伏を決意した理由を語る場面がある。 映画のこの場面での天皇の発言全文は以下のとおり。 (阿南陸相の受諾反対論を聞いた後で) 反対論の趣旨は、つぶさによく聞いた。 しかし、わたくしの考えは、この前も言ったとおりで、変わりはない。 これ以上戦争を続けることは、無理である。 陸海軍の将兵にとって、武装解除や保障占領は耐えられないであろう。 国民が玉砕して国に殉ぜんとする気持ちもよくわかる。