広角レンズを使用した撮影技法によって アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所の『地獄めぐり』を 余すことなく表現した「ゾンダーコマンド」(特別任務部隊) であったサウルの2日間の出来事を描いた映画です。 「ナチスは強制収容所で殺したユダヤ人たちを 同胞であるユダヤ人に始末させていた。」 というおぞましいことこの上ない話は9時間半異常にも及ぶ 映画でも有名な『ショアー』(クロード・ランズマン, 作品社) や、実際にゾンダーコマンドとして働いていた人間に よる手記の 『私はガス室の「特殊任務」をしていた 知られざる アウシュヴィッツの悪夢』 (シュロモ・ヴェネツィア, 河出書房新社) を読んでいたので知識としては知っていたつもりですが、 詳細な映像ですべてを提示されると、 「良くこんなところで正気を保てるな…。」 と見終えた後にはしばらく呆然としてしまいました。 物語は主人公でゾンダーコマンドであ
![サウルの息子 : 有坂汀的日常 ~ただただ、思いの馳せるままに~](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/da78a05937633f7a2b4b2219826151c370cd607b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fparts.blog.livedoor.jp%2Fimg%2Fusr%2Fcmn%2Fogp_image%2Flivedoor.png)