『分身』(ぶんしん、ロシア語: Двойник)(『二重人格』とも訳される)は、フョードル・ドストエフスキーの中編小説で、1846年『祖国雑記』第2号(2月号)に発表された。『貧しき人々』で文壇に華々しくデビューしたドストエフスキーの第二作目となる作品である。『貧しき人々』の発表からわずか一月後のことであった。発表前に兄ミハイルに宛てた手紙の中でドストエフスキーは、「『貧しき人々』よりも十倍も上の作品です。仲間の連中は『死せる魂』以後のロシアの国にはこれほどのものはひとつとして現れなかった、これはまさに天才的な作品だと言っています」(1846年2月1日付[1])とその自信を披瀝している。 概要[編集] この作品は「ペテルブルク史詩」という副題がつけられ、1〜13章で構成されている。『貧しき人々』に続く第二作目でもあり、周囲から大きな注目を集めたが、本人の期待に反してその評価は厳しいものであ