ギリシャ、ロシア、不況、移民、イスラム過激派…。欧州で様々な問題が噴出している。欧州が現在直面している難局は、EU加盟国が欧州の統合に関する様々な幻想を捨てて現実を直視し、成熟期に移行するべき時がやってきたことを浮き彫りにしている。 ギリシャ暫定合意で危機は回避されていない 日本の多くのメディアは、2月20日にユーロ圏財務相会合(ユーロ・グループ)の参加国が、ギリシャに対する支援プログラムを4カ月延長することを決めた時、「ユーロ・グループ、ギリシャ支援延長で暫定合意」と報じた。そこでは、「切迫した危機は回避された」という論調が目立った。しかしこれは現象面だけを見た皮相的な分析であり、現実には病の根源は全く解決していない。それどころか、ここヨーロッパでは20日の合意後も、「EUとギリシャの正面衝突」という雰囲気が続いている(関連記事「ギリシャとEUが正面衝突?」)。危機回避とは程遠い状況だ。
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