「動物たちの反乱」という地味な本を読んだ。 兵庫県森林動物研究センターというのがあり、京大名誉教授の河合雅雄が名誉所長を務めている。 そこの研究員が共同執筆した本である。 つまらなそうな本だと思ったのだが、読んでみると、これがなかなかの好著である。 最近は山林に住む動物たちが山から降りてきて農地を荒らすという問題があるが、そういうつまらない問題をきちんと書いており、かなり読ませる。 テーマとしてはつまらないのに、動物の生態の記述がしっかりしているので知的好奇心を満たしてくれる。 わたしが嫌いなのは新聞記者が書いた本である。 記者は「取材」して書くわけだ。 もちろん足を使って聞いて回ることで、点が繋がり線となり、全体的な絵面が浮かんでくることもある。 だが、どうしても人から聞いた話をまとめることになる。 無知蒙昧だからこそ、他人に取材しているとも言える。 この野生動物が農地を荒らしている問題