パナソニックが国内の個人向けスマートフォン(多機能携帯電話)事業から撤退する方向で最終調整に入った。携帯電話基地局事業も売却する方針だ。7月にはNECがスマホ事業から撤退しており、パナソニック撤退で2000年代初めに10社超あった携帯電話の日本メーカーは事実上4グループへ集約される。iPhone(アイフォーン)を擁する米アップルにシェアを奪われ、挽回できなかったことが響いた。海外勢に対抗するのは容易でなく、日本勢にとって正念場が続く。【宮崎泰宏、横山三加子】 【相次ぐデジタル機器からの撤退、その震源は…】 「海外勢にやられて非常に厳しい状況だった」。パナソニック幹部はため息をつく。今年度中に唯一の自社拠点のマレーシア工場でのスマホ生産をやめ、今後は企業向けを強化する。「ガラケー」と呼ばれる従来型携帯電話は中国・北京で生産し日本での販売を続ける考えだ。 パナソニックは00年代初めから、先
熊本県立第一高校(熊本市)に、34年ぶりに男子生徒が入学する見通しとなった。同校は男女共学だが、78年3月に最後の男子生徒3人が卒業して以来、入学志望者が女子だけの状態が続いていた。10日に入学内定者が決まった前期選抜試験で、男子の内定者がいることを学校が明らかにした。 同校は1948年、県立の高等女学校2校が合併して県立女子高となり、翌49年に県立第一高に改称され男女共学となった。しかし前身が女子校だったためか、男子の入学希望者ゼロの状態が続いた。このため学校や同窓会が、男子の制服や運動部を準備したほか、中学校訪問を重ねて入学を呼びかけるなど、男子入学に向け運動を展開していた。 前期選抜試験は2日にあり、普通科(英語コース)には男子7人を含む107人が受験。10日に中学を通じて本人に通知した内定者10人の中に、男子1人が入ったという。 熊本県では3月に普通科などを中心とした後期選抜
水戸黄門最終回スペシャルの撮影のクランクアップを迎え、記念写真に納まる黄門役の里見浩太朗さん(前列左から2人目)ら主要キャスト=京都市右京区の東映京都撮影所で2011年11月11日、森園道子撮影 人気テレビ時代劇「水戸黄門」(TBS系)が、京都市右京区の東映京都撮影所でクランクアップ(撮影終了)した。69年8月の放送開始から42年。通算43部、1227回にわたるご老公様一行の旅は区切りの日を迎えた。 【写真特集】黄門さまの涙、由美かおるさんの笑顔 クランクアップ当日の様子 最後の撮影があったのは11日。かつての人気レギュラー、由美かおるさんがゲスト出演し、里見浩太朗さん演じる水戸光圀(みつくに)を久しぶりに訪ねるという最終回スペシャル(12月19日放送)の1シーンだった。OKの声が掛かると撮影スタジオ内に大きな拍手と「お疲れ様でした」の声が響いた。 最高視聴率43.7%(79年2月5
1日午前7時45分ごろ、福島県川俣町山木屋半蔵山で、同所に住む女性(58)が自宅近くの空き地で倒れているのを夫(61)が見つけて119番した。伊達地方消防組合中央消防署南分署員が駆け付けたが、女性は全身に大やけどをしており間もなく死亡が確認された。一帯は計画的避難区域で、同分署によると女性は一時帰宅していた。福島県警は、現場の状況などから焼身自殺の可能性もあるとみて調べている。 親類の男性(55)は「昨日(6月30日)は避難先の福島市の土湯温泉から一時帰宅し、草刈りをしていたようだ。5月に電話で話したのが最後。いつもより暗く、自宅を離れることへの不安を口にしていた」と沈痛な表情だった。別の親類の男性(60)は「明るく笑顔の絶えない人で、家族は『原発事故が原因ではないか』と言っていた」と話した。 同町山木屋地区は東京電力福島第1原発事故後、住民の被ばく放射線量が年間20ミリシーベルトを超
東京電力社員の父親を持つ、東京都内の小学6年生の男子児童から毎日小学生新聞編集部に届いた手紙に対し、全国から反響が寄せられている。福島第1原発事故を受けて「世界中の人が無駄に電気を使ったことが原発を造るきっかけになった」などとする手紙に、各地の小学生が子供なりに考えて賛否の意見をつづっている。 ◆ぼくは、東電がまちがっていると思います。人々が大量に電気を消費するから原発をつくるしかなかったというのは、いいわけにしか聞こえないと思います。 安全だといい、人々をだまし、古くなった原子炉をうごかしつづけてきたことにより、事故が起こってしまったことも問題です。(男子児童の)手紙には、原子力にみんながたよっていたから事故が起こってしまったという感じで書いてあったけれど、それは東電の人たちが、福島の人たちに、道路をよくしたり、補助金を出したりして、たよらせるようにしむけたのだと、ぼくは思います。(京都
記録的な大雪で、島根県安来市内の国道9号でも車が大渋滞した(一部画像を処理しています)=安来市安来町のJR安来駅近くで2011年1月1日午後3時1分、目野創撮影 鳥取・島根両県をむすぶ国道9号が記録的大雪で大渋滞していた2日未明、車の列に、コンビニエンスストアのおにぎりが無料で配られた。渋滞で店舗に届けられない食品を、コンビニ社員が一台一台回って配ったものだった。インターネットの短文投稿サイト「ツイッター」には、感謝の書き込みが残されている。 おにぎりを配ったのは、コンビニチェーンの「ポプラ」(本社・広島市)の島根県安来市の集配センター。国道9号沿いにあり社員5人が雪かきをしたが、大雪で配送トラックも出られない状態だった。渋滞を見た社員は「困っている人に配れないか」と本社に相談して了承を得て、2日午前0時ごろから2時間かけて、約600~700個を約200台の車に配ったという。 ツイッターに
0.02ミリという極薄の集積回路(IC)を、東京大の染谷隆夫教授と関谷毅講師のチームが開発した。有機物を材料に使い、ハンカチのようにくしゃくしゃに丸めても性能を維持できるのが特徴で、医療機器や折りたたみ式ディスプレーへの応用が期待できるという。7日付の英科学誌ネイチャー・マテリアルズ(電子版)に発表した。 ICはトランジスタなどの素子を組み合わせた電子回路で、パソコンや携帯電話などに使われている。トランジスタはシリコン型が主流だったが、近年は炭素などででき、軟らかく扱いやすい有機トランジスタの開発が進められてきた。 チームは、ICの基板となるプラスチックフィルム上で、髪の毛の太さの1万分の1に相当する数ナノサイズの物質を操作する技術を開発。フィルム上に有機トランジスタを均一に配置することに成功し、厚さ0.02ミリのICを作った。ICは乾電池並みの2ボルトの電圧で大きな電流を作り出せ、従来の
深海底にすむ微生物「古細菌」が、自分の体を作るのに死んだ仲間の体を使い回していることが、高野淑識(よしのり)・海洋研究開発機構研究員(地球化学)らの分析で分かった。エネルギー源の乏しい深海底ならではのエコライフで、有害物質の分解にも応用できる成果という。7日付の英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(電子版)に掲載された。 古細菌は、熱水の噴出口など他の生物が生きられない特殊な環境に生息したり、牛の胃の中などでメタンガスを作る種類が知られている。深海に多く、その量は地球全体で10億トンと推定されている。神奈川県沖の深さ1453メートルの海底に無人潜水艇で培養装置を設置。放射性物質で目印を付けたブドウ糖を「餌」として与えて405日間調べた。 その結果、古細菌の細胞膜から目印は見つからず「餌」を細胞膜作りに使っていないことが判明。代わりに仲間の死骸(しがい)の細胞膜を流用していることが分かった
染色体やホルモンの異常で男性か女性かが明確に区別しにくい「性分化疾患」について、小児医療の分野で初の実態調査や診療の底上げが本格化してきた。日本小児内分泌学会は10月、過去5年間の受診者は未成年だけで少なくとも3000人に上ると公表。長年タブー視されてきた疾患にようやく光が当たり始めたが、成長後の患者への支援はなお乏しく、人知れず苦しむ人は後を絶たない。 <私の主治医はこの病気を診るのが初めて。心配です><子どもは望めませんか> 奈良県桜井市で内科クリニックを開業する岡本新悟医師(64)は性分化疾患の一種「クラインフェルター症候群」の患者から10年間で約800件のメール相談を受けた。思春期以降に気付くことの多い染色体異常の疾患で、約1000人に1人の割合で生じる。性器などは基本的に男性だが、人によっては乳房が膨らむ。ホルモンが不足し骨粗しょう症や内臓疾患になることもある。 性腺の疾患
支援者らを前にうつむく中前茂之氏(奥)と選対本部長の荒井聡前国家戦略担当相=北海道江別市で2010年10月24日午後8時45分、小出洋平撮影 衆院北海道5区補選で自民党前職の町村信孝氏が勝利し、菅内閣は厳しい政権運営を迫られることになった。菅直人首相は大敗した今夏の参院選に続き、改造内閣で初めての国政選挙も落とし、昨年夏の政権交代時の勢いを完全に失った。菅政権は10年度補正予算案の早期成立を目指すが、自民党など野党側が小沢一郎元代表の証人喚問要求を強めるのは必至。国会運営は不透明感を増し、政府・民主党に危機感が募っている。【中山裕司、高山祐、岸川弘明】 民主新人の中前茂之氏の敗北を受け、同党の渡辺周選対委員長は24日夜、党本部で記者団に「非常に残念な結果だ。『政治とカネ』の問題も敗北の要因の中に当然ある」と率直に認めた。補選の端緒になった北海道教職員組合(北教組)の違法献金事件のあおりで
KDDI(au)は18日、秋冬商戦などに向けた携帯電話新商品を発表した。基本ソフト(OS)にアンドロイドを利用したスマートフォン(多機能携帯電話)3機種など、新たに19機種を投入したほか、インターネット電話のスカイプ・テクノロジーズ(本社・ルクセンブルク)と提携し、パソコン向けなどに無料通話ができるスカイプのソフトをスマートフォンに搭載することも発表した。【乾達】 【写真特集】auが発表した全モデル掲載 G’zOne、スマートフォン、iidaも KDDIは、11月下旬予定のスマートフォン「IS03」の発売とともに、ソフトを提供し、発売済みの「IS01」と合わせて2機種でインターネット電話を使えるようにする。接続にはデータ通信網よりも通話品質のよい携帯電話の音声通話網を利用する。来年以降、従来の携帯電話にもスカイプを搭載していく。 料金体系は後日発表するが、スカイプ搭載のパソコンやスマ
2本脚の構造を持つたんぱく質「ミオシンV」が、脚を交互に前に出して移動する動画の撮影に、金沢大などの研究グループが初めて成功。10日(現地時間)の英科学誌「ネイチャー」(電子版)で発表した。分子を観察する原子間力顕微鏡(AFM)を約5年前に、1000倍速で実用化した高速AFMで撮影した。応用の幅を広げることで、ナノレベルの物質の解明が期待される。
学力の低い生徒ほどチャレンジ精神が旺盛で将来の起業にも意欲的−−。10代の子供たちの学力と将来の夢や目標との関連性を分析した調査結果を、教育関連のNPO法人「次世代育成フォーラム・リスタ」(東京都文京区)が発表した。調査担当者は、学力が高い子供ほど「草食系」と分析している。 調査は今年4月、主に進学塾に通う首都圏や近畿地方など16都府県の中学生約1万8000人を対象に実施。国語、数学、英語の3教科の学力テストと、将来の目標や夢などを尋ねる58問の意識調査を併せて行った。学力テストの結果で上位、中位、下位の3グループに分けて分析した。 「起業についてどのように考えますか」という質問に、下位層の10.4%が「いつかは必ずチャレンジしたい」と答えたのに対し、中位層は6.9%、上位層は6.6%。逆に「チャレンジしたくない」と答えた上位層は39.1%に上り、下位層(28.9%)と10ポイント以上
繰り返し充電して使えるパナソニックのニッケル水素電池「充電式エボルタ」で動くロボット「エボルタ」による「東海道五十三次走破実験」が23日午前7時45分ごろ、東京・日本橋からスタートした。国道1号など公道約500キロを走破し、11月中旬の京都・三条大橋到着を目指す。 【いろんな角度から見る】大八車を引くエボルタ エボルタはロボットクリエーターの高橋智隆さんが設計・開発。大八車を引いた旅人姿で、大八車に10本、旅人の背中に2本の新型の「充電式エボルタ」を装着し、時速3〜5キロ程度で走る。女性4人組「エボルタシスターズ」が赤外線機器を持ち、センサーを持つエボルタ号を誘導する。 この日は、関係者や報道陣が見守る中、東海道の起点・日本橋近くの広場からスタート。直後に強い雨に見舞われるなどしたが、午前9時半過ぎに東京・浜松町を通過。順調に進んでいる。 途中経過は動画サイト「ユーストリーム」(h
長野県飯田市の会社員、近藤茂さん(55)らが、円周率を、従来の世界記録を大幅に塗り替える5兆ケタまで計算した。近くギネスブックに申請するという。 最新技術を駆使したパソコンを百数十万円かけて自作。計算プログラムを作った米国の大学生と共同で、5月から3カ月かけて計算した。かつてはスーパーコンピューターの独壇場だったが、近年は高性能パソコンによる記録更新が相次ぐ。 近藤さんは円周率に学生時代から興味があり、十数年前から計算を始めた。パソコンの過熱を防ぐのは“ローテク”の扇風機。「究極の自己満足。次は10兆ケタを目指す」。夢も円周率のように続く。【仲村隆】 【関連記事】 【ギネスに挑戦】フェラーリ・フェスティバル 【ギネスに挑戦】ギネス記録上回る直径80センチのバーガー 群馬 【ギネスに挑戦】2320人が横笛でねぶたばやし 青森でギネス記録達成 【ギネスに挑戦】ビキニパレード:ギネ
iPS(アイピーエス)細胞という言葉を聞いたことがあるだろうか。正式には人工多能性幹細胞といい、体中のあらゆる細胞に変化できる能力をもつ。日本の山中伸弥・京都大学教授(46)がマウスを使って世界で初めてつくり出した。現在はヒトのiPS細胞もつくられており、実用化に向けた研究競争がくり広げられている。いずれ自らの体細胞でつくったiPS細胞を自分に移植し、臓器や組織を再生させられる日がくるかもしれない。 iPS細胞……人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cell)を略した言い方。山中伸弥・京都大学教授が2006年、世界に先がけてマウスでの作成成功を発表し、世界中で研究が活発になった。ヒトのiPS細胞はバイエル薬品のチームが07年春に作成。山中教授のチームとアメリカのチームも、07年11月に作成を発表した。 ◇細胞は成長の道のりを逆に歩ける わたしたちの体は60兆
京都大生態学研究センターの工藤洋教授らの研究グループは、植物が適切な時期に花を咲かせるために過去約6週間の気温を“記憶”していることを突き止めた。桜の開花の正確な予想や気温変化に強い農作物の開発につながることが期待され、近く米科学アカデミー紀要(電子版)に発表する。 植物が花を咲かせる時期を決める開花遺伝子は60以上見つかっているが、自然の中での具体的な働きはほとんど分かっていない。研究グループは植物が長期的な温度変化を感じ取り、最適なタイミングで花を咲かせていると想定。自生しているハクサンハタザオの葉を採取し、開花遺伝子情報の運び役であるリボ核酸の量を2年間にわたり1週間おきに測定した。 得られたデータと気温の変化を積分などを使った統計学的手法で解析。その結果、植物が過去約6週間の気温を参考にして開花時期を調節していることが分かったという。【広瀬登】
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