日本人として初めて英国ロイヤルバレエのプリンシパルとなったバレリーナの吉田都さんにお話をうかがって、一番印象的だったのは、重圧を受けたり苦境に立ったりした時に、「練習に逃げる」という言葉だった。 吉田さんの生き方は、そこにあったのだと強く感じた。例えば、プロ野球選手がスランプの時に、その重圧に耐え切れず酒に逃げるといった話をよく聞く。それを一番エッセンシャルな“仕事”に逃げると吉田さんは言う。 1995年から97年あたりのいつだったか、英国のロイヤルバレエを見に行ったことがあり、そこで「日本人がプリンシパルで踊っている!」と強い印象受けたことがあった。今思えばそれが吉田さんだった。ロイヤルバレエでプリンシパルを務めるのは本当に大変なことで、俗に言う“家賃が高い”ところ。なぜそこで頑張ってこれたかというと、「練習に逃げた」、さらに練習に没入したからだと分かった。 吉田さんは、公演のあとで、自