ライター=福光 恵 氏 昔懐かしい、セルロイドと出合う 文具メーカー「サンスター」のホームページによれば、「象が踏んでも壊れないアーム筆入れ」のCMが始まったのが1967年。知らない人のために一応説明すると、アーム筆入れっていうのは、65年に発売されたポリカーボネイト製の筆箱のこと。今では考えられないけど、それまで下敷きや筆箱っていうのは、いとも簡単に割れたり欠けたりするものだった。 で、それを受けて衝撃的に登場したのが、超丈夫なこの筆箱。CMでは、本物の象がアーム筆入れを踏んでいる映像が流れて、当時の子どもたちは「筆箱の新時代が来た」と物欲の深いため息をついたもんだ。私ももちろん、「壊れないから、長く使うし!」と親をだまして、アーム筆入れを買ってもらった。家にこの筆箱が来た日には、何度も筆箱を踏んで、自分でもその丈夫さを確かめてみたのは言うまでもない。 さて、何で急にアーム筆入れ
盛り下がった都知事選に石原慎太郎が大勝した意味 統一地方選は盛り上がらなかった。石原慎太郎さんをはじめ、現職は9人全員が勝った。都知事選も、浅野史郎さんがもっと激しく追撃するかと思ったが、追撃できなかった。 新聞などでは、浅野さんが石原さんに対して争点を明確にできなかったと批判している。 だが、争点を明確にできなかったのではなくて、実は争点がなかったのではないか。 浅野さんがどうこうという問題ではなくて、時代が、一言でいうと「戦時」から「平時」に変わったのだ。 「戦時」の総理と「平時」の総理 全共闘運動が終わって、80年代はまったく思想の対立もなく、大学はレジャーランドだといわれ、世の中はまさに“バブル”だった。こういう時代には、基本的にリーダーはいらない。強いていうなら、竹下登さんに代表されるような、みんなの意見を聞いてまとめる「調和型のリーダー」を国民は求める。 「強いリ
第4回 石原慎太郎、黒川紀章――そして宮崎駿 「東京の環境」と「都知事選」に思いを巡らせる 2007年4月17日 建築家=馬場 正尊 氏 7年前の取材で聞いた 「東京」という都市のビジョン 4月8日に投票が行われ、現職・石原慎太郎氏の勝利に終わった東京都知事選。今回、この都知事選の一連の報道を見ていて、自分の中の、ある記憶が蘇ってきた。 20歳代後半から30歳代の前半(1998年から2002年)にかけて、僕は『A』という雑誌の編集長をしていた。『A』とは、「Architecture(建築)」の頭文字、そのほかにも、「Art(アート)」、「Anonymous(都市のなかの不特定な誰か)」などの意味も含んでいた。 「都市生活と建築を結ぶメディアを自分でつくってみたい」という同人誌的な発想からスタートし、インディーズのサブカルチャー・マガジンとしてそれなりの発行部数を数えるまでになった。 雑誌
思考停止から抜け出せ! (前回はこちら) 問題解決に役立つ「マインドマップ」 「マインドマップ」(注)と呼ばれる図解の表現技法がある。トニー・ブザンという英国の著述家が提唱した図解だ。概念の中心となるキーワードやイメージを中央に置き、そこから放射状にキーワードやイメージを繋げていくことで、思考やアイデアを拡張していくスタイルを取る。 マインドマップの構造は、脳内の意味記憶の構造に類似していると言われる。マインドマップを描くことによって、問題の理解も早まるとされ、注目を集めている。 本来は紙に手描きする。だが最近では、パソコンを使って描くためのソフトも、多くのものが開発されている。 プログラマーの角征典さんは、「マインドマップ」を複雑な事柄の整理に活用している。「マインドマップは一般に、アイデア拡張ツールと認識されることが多いが、問題の整理にも威力を発揮する」。 角さんが仕事の
(長谷川 ゆか=ロンドン在住ジャーナリスト、監修=プライヴ編集部) アメリカ人や日本人観光客に混じって、セミ・フォーマルな服装に身を包んだミドルクラスの年配グループが、クラシック・ピアノが奏でられる中でサンドイッチをつまむ。格式張ったウエイターたち、その上何日も前から予約をしておかないとテーブルが取れないほど敷居が高い──これが五つ星ホテルでの“アフタヌーンティー”だ。 一昔前までは、トレンドの先端をいく人々にとって、これほど時代錯誤的で、“クール”とは正反対な空間はなかったに違いない。加えて90年代後半から英国中を席巻している、スターバックスを筆頭とする“コーヒー・バー”の相次ぐ出店。ハイストリートと呼ばれる各エリアの目抜き通りには、何軒ものコーヒー・バーが乱立し、紅茶の国として世界に名を馳せた英国人たちは、あっけなくこのコーヒー・バーの襲撃に屈してしまった。“お茶を飲む”という文化は
(取材・文=有賀祐子 写真=村田和聡) ここ数年、万年筆に注目が集まっている。取り扱い店舗数が増え、万年筆メーカーの数も増加、万年筆関連の書籍やムック本が出版されるなど、万年筆業界全体の売り上げが伸びているという。 万年筆を中心とした筆記具専門店「書斎館」は、南青山の骨董通りを一本入った路地にある。2001年4月にペン・ブティックとしてオープン以来、国内外約30メーカーの万年筆2000本を扱っている。店長の奥野美紀子氏に万年筆の魅力について聞いた。 万年筆で書くと、いいアイディアが浮かぶ 80年代後半に一度冬の時代を迎えた万年筆ですが、ここ数年、再び良さが見直されてきています。 1992年発売のモンブラン・作家シリーズ『ヘミングウェイ』に始まった限定万年筆の隆盛や、デルタ・ヴィスコンティ等イタリア製の美しい万年筆が以前より多く流通するようになり人気を呼んでいること、国内外の筆記具メーカーや
(取材・文=中村 江里 写真=村田和聡) 大和屋シャツ店は、1876年(明治9年)創業の日本初のワイシャツ店。ワイシャツという言葉を使い始めたのも、この店が最初だ。2代目の石川清右衛門が、当時横浜に滞在していた西洋人から衣服を譲り受けた際、「White Shirt」と言われたのを「ワイシャツ」と聞き間違えたのが始まり。6代目となる現在の社長・石川成実(いしかわ・なるみ、50歳)氏に、オーダーシャツの魅力や、シャツの様々なこだわりポイントについて話をうかがった。 自分だけの特別な1枚——オーダーシャツの魅力 カフの形は好み次第。カフスをする場合は、上段右のカーブした形のものがきれいに見える。ボタンだけでとめる場合は、上段左のシンプルな 形がお薦め (画像クリックで拡大) オーダーシャツの魅力は、当然ですが一人ひとりの体にぴったりフィットする点に尽きます。細部にわたり体型をチェックし、
注目ポイント ・ドラマ仕立てのCMで自社のWebサイトに誘導 ・「検索への誘導」は無しで、興味持たせてアクセスを促す ・CMの新シリーズ開始で、サイトへのアクセスなどが増える傾向 ・サイトの利用者増をビジネスにどう結びつけるかが今後の課題 「ライフカード」を発行するライフ(東京都千代田区)は、「続きはWebへ」のキャッチフレーズで、テレビCMから自社サイトへ視聴者を誘導している。CMでは「カードの切り方が人生だ」をテーマに、仕事、恋愛、友人関係など、人生の局面をドラマ化。俳優のオダギリジョーさんが「人生のカード」を切っていくCMは、ネット連動型のテレビCMの代表といえるほどに、その知名度は高い。ライフカードのネット誘導への成功は、何が要因なのか、Web誘導型CMを開始した当初から現在に至るまでの経緯を追いながら、成功の糸口を探ってみた。 ライフが自社サイトに注力し始めた
世界最大のマーケティング装置になる「Wii」 宝の山が本体に眠る 2月14日。Wiiで「みんなで投票チャンネル」というサービスがスタートしました。 これはWiiを使ってアンケートが配信され、それに世界中のユーザーが回答する、という「遊び」です。アンケートは基本的に週に3回(全世界を対象にしたアンケートは月に2回)行われ、集まった解答結果はグラフ化され、地域別や性別で、どんな結果になったのかが表示されます。 当コラムをお読みの方の中にも、すでに遊んでいる人もいらっしゃるかもしれません。未体験の方は、ぜひ一度やってみてください。家族で投票して、世界中の人たちの集計結果を見るだけで、かなり盛り上がります。 どうやら世界中の人が同じように感じているらしく、スタート直後のアンケートでは、全世界から約50万票の投票があったようです。 詳しい内容は日経ビジネスオンラインのこちらをご覧ください。
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