著: 岩崎う大(かもめんたる) 芸人としてのスタートを切った街・新中野 僕が初めて1人暮らしをした街が新中野でした。もともと西東京市の実家で暮らしていた僕は、大学を卒業すると同時に家を出ることになりました。この時の僕は、お笑い芸人として大成することを目指した1人の若者でした。 みんなが就活を始める大学3年生で吉本の養成所NSCに入った僕は、結局紆余曲折あって大学卒業時には5人組のお笑いグループWAGEのメンバーとしてアミューズという大手芸能事務所に所属していました。芸人としては珍しく給料制で、お小遣い程度の月給でしたが、お笑いでお金をもらえる事実がとても嬉しかったのを憶えています。 苦しいお給料事情でしたからもちろん、ギリギリまで実家に居座る魂胆でいたのですが、母親から「芸人になるのはいいけど、家を出なさい」と言い渡されてしまいます。僕はアルバイトの才能が全くなかったので、途方に暮れていた