国内での報告例が少なく、環境省のレッドリストで情報不足とされている「クロオオアブラコウモリ」が札幌市内で繁殖しているのが1日までに確認された。同市在住の動物写真家、中島宏章さん(44)が発見した。繁殖が確認されたのは日本で初めて。 クロオオアブラコウモリは翼を広げると大きいものでは約25センチで、東アジアやロシア極東部に生息。これまで日本での報告例は15匹にとどまる。 中島さんは会員制交流サイト(SNS)で同市の学校付近にコウモリがいるとの情報提供を受け、平成29年7月から学校周辺で観察を開始。同9月に周辺で見つかった死骸をコウモリの調査をしている「道東コウモリ研究所」(大空町)に持ち込んだところ、研究所がことし3月に歯などの特徴から死骸はクロオオアブラコウモリの幼体で繁殖していると認められると判断した。