抜本的な事業改革が迫られている百貨店業界で独自路線をすすむのが丸井グループだ。近年掲げてきたメッセージは「モノを売らない店」。デジタル技術を活用してショールーム機能を強化した「特化型店舗」に活路を見出している。誘致に力をいれるのは、ここ最近話題にのぼる「D2C」ブランドだ。「週刊東洋経済」記者として百貨店、流通業を取材してきた梅咲恵司氏の著書「百貨店・デパート興亡史」から、その戦略を一部編集してお届けする。 gettyimages/winhorse モノを売らない店が「安定収益源」となる理由 本書で何度か取り上げてきた丸井グループは、オリジナリティのある店舗づくりを模索 している。同社は数年前から、「モノを売らない店」を標榜する。モノを売らない店とは、 デジタル技術の活用によりショールーム機能などに特化した店舗のことだ。 丸井は「モノからコト」へと消費のトレンドが移っていることを捉え、20