インド南部や北部を猛烈な熱波が襲い、南東部テランガナ州やアンドラプラデシュ州を中心に、26日までに約850人が死亡した。一部で気温は50度近くにまで上昇している。 アンドラプラデシュ州当局の幹部はAFP通信に「亡くなった人の多くは直接、日光にさらされる50歳以上の肉体労働者」と述べた。東部の大都市コルカタでは、タクシー運転手2人が熱中症などで死亡し、運転手組合が25日から日中の休業を呼びかけた。コルカタのタクシーのほとんどは古く、エアコンはない。 インドでは貧しさや電力不足から、クーラーや扇風機などを使えない人々が多く、熱波で命を落とす人が絶えない。今年、これまでに215人が死亡したテランガナ州では2年前に516人が死亡。2003年にはインド全土で1900人以上が死亡している。(貫洞欣寛)