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ブックマーク / blog.tatsuru.com (8)

  • 高校生に言いたかったこと - 内田樹の研究室

    修学旅行で関西に来ている高校二年生200人のための講演を頼まれた。日の未来を担う若者たちである。長く生きてきた人間としてはどうしても言っておきたいことがある。喜んで引き受けた。 でも、高校生はせっかくの楽しい修学旅行の最中に(それも晩ご飯の前に)知らない男の説教なんか聞きたくもないだろう。先方は「聴く気がない」、こちらは「袖にすがっても言いたいことがある」。合意形成は難しい。とはいえこちらも教壇に立つこと半世紀という老狐である。絶対に寝かさないで最後まで話を聴かせる術は心得ている。 それほどたいしたことではない。準備したことではなく、その場で思いついたことを話すのである。その場で思いついたことだから、うまい言葉がみつからない。時々絶句する。でも、絶句というのは聴衆を引き付ける上ではまことに有効なのである。 結婚式のスピーチで、用意してきた台詞を忘れて、頭が真っ白になって立ち尽くしている来

    at_yasu
    at_yasu 2023/10/15
  • 嗜好品について - 内田樹の研究室

    嗜好品についてのエッセイを頼まれたと思っていたら、「口にする嗜好品」のことだった。 これは使えませんということで没になった原稿。 「読みたい」という方がツイッター上に二人いらしたので、公開します。 ぜひお読みいただきたい、というようなクオリティのものじゃないんですけど・・・ 嗜好品というものがない。 だから、よく男性誌で特集している「男なら、この一品」というようなカタログを眺めても、そのようなものに「こだわる」人の気持ちがよくわからない。 自分の持ち物については、洋服も、も、時計も、ペンも、バイクも、自動車も、家も、別に「これでなければならない」というようなこだわりがない。 必要になったら、ふらふらと街に出て、ウインドーショッピングをしているうちに「目が合う」ものがあれば、それを買う。それだけである。迷うということも、目移りするということも、ない。目が合ったら、「あ、これください」だけで

    at_yasu
    at_yasu 2012/09/04
    あー…まぁ買い物って案外こんなもんよね…
  • 困難な時代を生きる君たちへ - 内田樹の研究室

    神戸新聞の元日配達号に「中高生のために」一文を草して欲しいと頼まれた。 困難な時代を生きる君たちへというタイトルを頂いた。 神戸新聞購読者以外の方の眼には止まらなかったものなので、ここに再録する。 みなさんがこれから生きて行く時代はたいへんに困難なものとなります。 戦争に巻き込まれるとか、大災害に襲われるとかいうことではありません。そうではなくて、みなさんがこれから幸福な人生を送るために、どういう努力したらいいのか、その「やりかた」がよくわからないということです。 まじめに受験勉強をして、いい大学を出て、一流企業に就職したり資格や免状を手にすれば、あとは生計について心配はしなくてよいというような「人生設計」を立てることがむずかしくなった。 ただし、「むずかしくなった」だけで、まるで不可能になったわけではありません。そこがむしろ問題なんです。受験勉強なんか無駄、学歴なんか無意味、資格や免状も

    at_yasu
    at_yasu 2012/01/09
    「どんな学問や仕事を選ぶにしても「努力することそれ自体が楽しい」ことを基準にして下さい」
  • 日本の人事システムについて - 内田樹の研究室

    ツイッターで茂木さんが就職活動について書いている。 多くの点で、私も同意見である。 けれども、完全には同意できないところもある。 意見が違うというのではなく、話を「切り出す順番」が違うということなのかも知れない。 それについて考えてみたい。 茂木さんはこう書いている。 「大卒2割、就職も進学もせずという今朝のニュース(http://bit.ly/9IP2QS )に思うところあり、日の就職について連続ツイートします。 大学3年の夏から、実質上就職活動が始まる日の慣習は、明らかに異常である。学問が面白くなって、これからいよいよ格的にやろうという時に、なぜ邪魔をするのか。 そもそも、新卒一括採用という慣習は、経営的に合理性を欠く愚行だとしか言いようがない。組織を強くしようと思ったら、多様な人材をそろえるのが合理的である。なぜ、一斉に田植えでもするように、同じ行動をとるのか? 日の企業が

  • キャラ化する世界 - 内田樹の研究室

    教授会のさいちゅうに携帯が鳴って、廊下で出たら、某新聞から電話取材。 日、菅新首相の所信表明演説があったけれど、新内閣についての感想は・・・というご下問である。 こちらは授業と会議で、演説聴いてないので、なんとも言いようがないけれど、とにかく直前の内閣支持率20%が3倍にはねあがるというのは「異常」だと申し上げる。 菅首相自身は前内閣の副総理。主要閣僚もほとんど留任であり、政策の整合性を考えるなら、前政権から大きく変化するということはありえないし、あるべきでもない。 もし、首相がかわったせいで政権の性格が一変するというのなら、それは副総理であったときの菅直人の政治的影響力が「かぎりなくゼロに近い」ものだったということを意味する。 副総理のときに政策決定にまったく関与できなかった政治家が、1ランク上がったせいで、圧倒的な指導力を発揮するという説明を私は信じない。 菅新首相は前内閣の枢要の地

  • 就活に喝 - 内田樹の研究室

    ゼミに行くと欠席が9名。 ほとんどの四年生は最終学年はゼミしか授業がないはずであるので、ゼミに来ないということは、フルタイムで就活に走り回っている、ということである。 気の毒である。 だが、浮き足立ってことをなして成功するということはあまりない。 大事に臨んでは、まずゆっくり腰を据えて、お茶漬けなどべるというのが日古来の風儀である。 ゼミを休むほどに浮き足立ってはろくな結果にならない。 それに、私に「ろくな結果にならない」というようなことを言わせてはいけない。 私の言葉はたいへん遂行性が強いからである。 私が「そんなことをすると、ろくな結果にならない」とうっかり口走ってしまうと、それはきわめて高い確率で現実化するのである。 だから、君たちがわが身の安全をほんとうに案ずるなら、私を怒らせてはいけない。 ご存じのように、私は学生に対して威圧的になったり、がみがみやかましく叱ったりすることが

    at_yasu
    at_yasu 2010/04/14
    第三者としてその禍々しさを是非見てみたい。
  • 「内向き」で何か問題でも? - 内田樹の研究室

    先日、苅谷剛彦さんと対談したときに、日のように「国内に同国語の十分なリテラシーをもつ読者が1億以上」というような市場をもつ国は世界にほとんど存在しない、ということを指摘していただいて、「ほんとにそうだよな」と思ったことがある。 「国内に同国語の十分なリテラシーをもつ読者が一億以上」いるということは、言い換えると、「日語を解する読者だけを想定して著作や出版をやっていても、飯がえる」ということである。 日人が「内向き」なのは、要するに「内向きでも飯がえる」からである。 「外向き」じゃないと飯がえないというのは国内市場が小さすぎるか、制度設計が「外向き」になっているか、どちらかである。 どうしてそんなことを考えたかというと、テレビ政治討論番組で「フィンランドに学ぶ」という特集をしているのを横目で見ていたからである。 フィンランドはノキアという携帯電話のシェア世界一のブランドを有して

  • 若者はなぜうまく働けないのか? (内田樹の研究室)

    CIRCUSという雑誌の取材がある。 お題は「どうして若者はうまく働くことができないのか?」 一方に引きこもったまま労働しない若者がおり、一方に過労で倒れそうな若者がいる。 いずれも「うまく働いている」わけではない。 どうしてなのか。 たしかに「どうしてなんでしょう」と訊きたくなる気もわかる。 お答えしよう。 これは複数のファクターの総合的な効果であるから、単一の原因を探してもダメである。 第一は働く個人の側の問題である。 『下流志向』で分析したように、労働を経済合理性の枠内でとらえると、労働者は自分の労働の成果に対して、「等価の」報酬が、「遅滞なく」、「固有名宛て」に給付されることを望む。 学生たちが知っている「work」の経験はさしあたり受験勉強と就活だけであるが、それはまさに、努力に対する報酬(成績や合否採否)が(成績発表、内定通知の日に)「遅滞なく」、努力にふさわしい評価として、固

    at_yasu
    at_yasu 2007/06/30
    若者(バカモノ)として興味深い事。何も知らないからかもなー
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