世界的に景気の底入れを期待するムードが広がる中、依然として欧州・ユーロ圏は精彩を欠く状況が続いている。製造業PMI(購買担当者景況指数)はドイツを中心として惨憺たる状況が続いており、最新10月時点ではフランスだけが辛うじて好不況の分かれ目とされる50をなんとか維持しているような状況だ。主要国でも突出している「弱さ」の理由はどこにあるのだろうか。 最も大きな要因としては経済が外需依存構造であること、とりわけ主力の輸出品である自動車販売が世界的に停滞していることがよく挙げられる。2018年を例にとれば、世界の自動車輸出の4分の1以上がドイツ、フランス、イタリア、スペインからの輸出であるから、自動車業界全体の浮沈がそのままユーロ圏の景気を左右してしまう部分がある。 2つの要因による自動車生産の縮小が直撃 10月の世界経済見通しでもIMF(国際通貨基金)は自動車産業の停滞について相応の紙幅を割いて