「『夫婦なんだから性行為はするもの、性的同意は必要ない』という感覚が変わってほしい」 こう話すのは、元夫との間で性的同意について悩んだ経験がある長野県北信地方の30代女性だ。「性的同意」は性的な行為をする際に、双方が積極的に望むかどうかを確認すること。もともと性教育などではその大切さが語られてきたが、7月に施行された改正刑法で、「強制性交罪」が「不同意性交罪」に変更されたことなどから注目が集まった。 同意は夫婦やパートナー間でも大切だが、認識は広まりきっていない面もある。性暴力被害に詳しい弁護士や元養護教諭は「NOと言える関係をつくり、丁寧なコミュニケーションを」としている。 ■断りづらい雰囲気…自分を責めた 北信地方の女性は20代で結婚。出産、家事育児、仕事への復帰と忙しく過ごす中で、元夫との性行為について悩むようになった。疲労などから女性が断ると元夫は不機嫌になり、体を押さえつけて強要