「うちはね、家庭内格差が顕著なんです。長女は正社員で、次女は非正規社員。2人には圧倒的な賃金格差があって、しまいには健康格差まで、出てきているんです。あるとき、僕がね、会社で死にたいくらい嫌なことがあって、落ち込んで帰った。そしたら、家にいる次女のほうが、『痒(かゆ)くて痒くて死にたい』って泣いてるんですよ。仕事のストレスからアトピー性皮膚炎になってしまってね。もう、かわいそうでかわいそうで……」 こう話すのは大手企業に勤める会社員の男性である。 男性のお嬢さんは2人とも、都内の私立大学を卒業して、社会人になった。 しかし、次女は就職氷河期世代。第3希望の会社に「契約(社員)だったら」という条件を提示され、「頑張って結果を出せばいつか正社員になれる」と信じて、就職を決めたそうだ。 ところが、正社員への道は一向に開けなかった。 最高裁判断への絶望感、正社員に届くか 「非正規社員という、将来が