現在、増加傾向にあるという高齢者の「孤独死」。独居の高齢者が自宅で亡くなり、誰に見つからず長期間放置され、悲惨な状態となってしまうこともある。そういった形で迷惑をかけることなく、最期を迎えるためにできることはあるのだろうか──。【全4回の第3回。第1回から読む】 独居の高齢者が増える中、誰にも迷惑をかけずにひとり旅立つことは難しい。しかし、迷惑を最小限に抑え、自宅で最期を迎えたいと望む人は多いはずだ。そんな「理想の孤独死」はどうやったら叶えられるのだろうか。 識者が口を揃えるのは、「早く見つけてもらえる手を打っておく」ことだ。社会保障政策に詳しい淑徳大学総合福祉学部教授の結城康博さんは言う。 「早く見つけてもらうためには周囲との関係性を築くことが大事ですが、家族や友人を頼れないなら、官民のサービスを利用するのも手です。たとえば、東京都板橋区が手がける『高齢者緊急通報システム』は、体調が急変