セブン銀行のATM(現金自動預け払い機)が全国に約1万3000台まで拡大した。創業から7年でセブン-イレブン・ジャパン全店に設置が完了したことになる。5年で累損を一掃し、ATMに絞る特異なビジネスモデルで2008年2月末には株式上場。小売りのノウハウと先端のIT(情報技術)を生かし、金融業界の常識を変える。 (文中敬称略)<日経情報ストラテジー 2008年4月号掲載> プロジェクトの概要 2001年5月に64台のATMから始まったセブン銀行は創業7年目の2007年度、セブン-イレブン・ジャパンとイトーヨーカ堂の全店に、約1万3000台のATM設置を完了した。野村證券の店舗にもATMを設置するなど運営業務の受託にも積極的だ。同社のATMと全国の提携金融機関を独自のネットワークで結び、ATMの利用手数料だけで経常収益(売上高)の約97%を稼ぎ出すビジネスモデルに対し、開業当初は金融業界などから