保守作業の内容はデータベースにたまったデータの削除および整理。その作業中にディスク容量が足りずにエラーが発生し、生産指示システムが停止した。用意していたバックアップ機でも同様の障害が発生して切り替えができなかったと、トヨタ自動車は同年9月6日に発表したリリースで説明している。 危機対応は「お手本」 国内工場を全て止めたトラブルだが、「トヨタ自動車自身は大した問題とは捉えていないだろう」と同社出身者は語る。今回の稼働停止による生産台数の遅れは「休日稼働を1日もすればカバーできる程度」(同氏)と、影響は軽微だからだ。むしろ、工場の専門家は「トラブルを招いた原因は低レベルだが、今回のトヨタ自動車が見せた事後(危機)対応はお手本といえる」と評価する。 というのも、製造業では工場の稼働を止めることに躊躇(ちゅうちょ)する企業が多いからである。市場や他社に及ぼす影響が甚大となり得るトヨタ自動車のような