<EVシフトを推進し、気候変動との戦いを長年率いてきたEUが7月5日、安価な中国製EVに追加関税をかけ始めた。自動車産業の雇用と利益を重視する姿勢は「自分の首を絞める」可能性も──> 誰に聞いても気候変動は急速に進んでいる。だが、気候変動との戦いにおいて長年リーダーの立場を取ってきたEUは目先の損得にとらわれ、健全な経済論理が見えなくなっているようだ。 EUは常に気候変動と戦う意思を示してきたが、一部の分野では自分の首を絞めている。例えば二酸化炭素(CO2)を排出するエンジン車の新車販売を2035年に禁じるとした措置。これは電気自動車(EV)の市場シェアを急拡大させて、CO2排出量を減らそうという大胆な一手だった。 しかしEVは従来のエンジン車よりも格段に価格が高く、禁止措置は物議を醸した。 EVが高価である必要はない。ヨーロッパで出回っているEVの半額で買える製品を中国は生産している。だ