出版社の未来、10年後はどうなっている? 電子書籍主流、紙は趣味的な分野で残る? 識者の見解から考察 ■紙の雑誌は低調だが電子書籍は好調 2000年~2010年頃、出版物の部数や売上がどんどん落ち込み、出版不況という言葉が盛んに使われるようになった。しかし、現在の出版界はといえば、電子書籍の普及や漫画や小説のメディアミックスが好調であるため、盛り上がりを見せている。特に漫画を出版している出版社は堅調であり、異業種からも漫画に参入する動きがあるくらいである。 出版文化研究所の調査によれば、2019年まで下降していた出版物の推定販売金額は、2020年からじわじわと上昇し、2022年には1兆6305億円の規模になっている。特に電子書籍の伸びは大きく、2014年にはわずか1144億円だった市場が、2021年には4662億円まで拡大。2022年には5013億円となった。 しかし、紙媒体の落ち込みは