このごろニュースを見ていると、誰もかれもが二言目には「民主主義」を持ち出す。ここまで乱発されると、安物の大量生産品を勧められているようで、有り難みも失せがちだが、そもそも国民はバカではないのだから、民主主義を手放そうなどとは夢にも思ってはいない。 それより、民主主義をじわじわと壊している張本人は、実は政治家やジャーナリストたちではないか? 「ちょっと、それはないだろう!」と思われることが、最近、ドイツで立て続けに起こっている。 民主主義の主人公は誰なのか 国会議員ノベルト・ラマート氏は、議員のあいだでも国民のあいだでも、信望の厚い政治家だ。2005年からずっと連邦議会の議長を務めている。その彼が、突然、議会における長老議長の選出基準を変えようと言い出した。国民からしてみれば、寝耳に水だ。 そもそも国民にとっては、長老議長などという言葉自体が不慣れ。聞くところによればその役目は、選挙後初の国