オリンピック選手として日本の陸上競技界に記録と記憶の両面で革新をもたらした為末大氏。独自の哲学と感性で、スポーツテクノロジーに言及してもらった。為末氏の言葉にはスポーツ、ウェアラブル、技術の世界に新たな切り口を見いだすヒントがありそうだ。 他の写真を見る ◆シニアのスポーツ分野に可能性 …為末さんが手がけている法人、アスリートソサエティは、アスリートの能力を社会にうまく取り込んでいこうという狙いがあるとみています。アスリートたちが軸足を置く、スポーツ分野にビジネスの可能性はありそうですか? 為末大氏(以下敬称略):これまでの話からすると、アスリートとビジネス、スポーツとビジネスに分けなければなりません。アスリートとビジネスの関係でいうと、僕が関わっているアスリートソサエティが人材バンクやベンチャーキャピタルのようになっていくのか、というと、これまでに成功例がないので未知の世界ですね。