国境を超えて様々な民族が交錯したきた北東アジア 現在のロシア極東、中国東北部、サハリン、北日本は、オホーツク海を挟んでいますが歴史的に民族的・文化的・経済的に極めて緊密な関係にありました。 日本民族が進出するまでは北海道はアイヌ人が広く住んでいましたが、アイヌというグループもかつては明確に定まっておらず、大陸側や樺太に住む民族とも繋がりがありました。モンゴル帝国の進出、次いで明王朝と清王朝の成立という大陸側の大きな政変と、日本列島の中央の抗争との間にあって、北西アジアは中世に大きく揺れ動くことになり、その後の運命が変わっていくことになります。 1. 中世・北東アジアの勢力図 13〜15世紀ごろ、ロシア極東〜樺太〜北海道には中国・日本の文献で様々な呼称で呼ばれる原住民が広く分布していました。 日本の津軽・下北から北海道の渡島にかけては、津軽の安藤氏が拠点を構えていました。安藤氏は鎌倉幕府の支