アドルフ・ヒトラー本人が現代によみがえったらどうなるか? そんな奇想天外な小説、ティムール・ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』(河出文庫)は全世界で大ベストセラーになり、ついに映画化され、日本でも現在公開中です。笑っていいのか怖がるべきなのか、ある意味禁断の問題作ともいえる『帰ってきたヒトラー』。原作と映画両方について、NHKドイツ語講座でもおなじみの、“職業ドイツ人”マライ・メントラインさんにお話を伺いました。 【あらすじ】 1945年に自殺したはずのアドルフ・ヒトラーがよみがえった。しかも2011年のベルリン郊外に! 彼をそっくりさんのコメディアンだと思い込んだ周囲の人々が、TV番組に出演させたところ、思わぬ反響でたちまち大人気を博すが……。 ―2012年に原作が出版された時、ドイツ国内ではどういう反応だったのでしょうか? マライ・メントラインさん(以下マライ):全ドイツ人、当初、ちゃ